2021年はほぼ『Meta Quest 2』(旧・Oculus Quest 2)一色と言ってもよい一年でしたが、2022年は各所で新型ヘッドセットが登場し、VR業界の情勢が大きく変わる可能性があります。この記事では、2022年におけるVRヘッドセットについて、現時点で判明している情報をお届けします。
Meta Quest 2はさらに普及する
『Meta Quest 2』は急速に普及が進んでいます。公式な販売台数の発表はありませんが、クアルコムのCEOが投資家向け発表会にて「累計出荷台数が1000万台を突破した可能性が高い」と証言しています。これを裏付けるように、2022年1月のSteamハードウェア利用調査では、SteamVRユーザーのうち約46%が『Meta Quest 2』を使用していることが明らかになっています。
『Meta Quest 2』が普及している理由は様々考えられますが、やはり「安価である」というのが最たる理由と言えるでしょう。128GBモデルで37,180円(税込)という価格設定は、現在でも競合製品の追随を許していません。また、スタンドアロン型ゆえに、ヘッドセット単体で動作する手軽さも、普及にあたっての重要な要素です。いざ始めたいと思ったら、お近くの家電量販店へ買いに行き、家で開封し、そのまま頭にかぶるだけ。面倒な手間はいりません。その上でUSBケーブルでPCと繋げば、PC接続型VRヘッドセットとしても利用できる汎用性も備わっています。
直近ではVRメタバースも流行の兆しを見せており、そこへアクセスするためのエントリーモデルとしても、『Meta Quest 2』はふさわしい一台です。こうした状況を鑑みるに、2022年もしばらくは「Quest 2一強」が続くものと思われます。
なお、Meta社からは「Project Cambria」というコードネームで発表された新型ヘッドセットが、2022年内の発売を目標に開発中とも発表されていますが、こちらはハイエンドラインナップということから、エントリーモデルたるMeta Quest 2とは棲み分けられる可能性がありそうです。
参考:Meta’s Oculus Quest 2 has shipped 10 million units, according to Qualcomm – THE VERGE
参考:Steamハードウェア&ソフトウェア 調査: January 2022
「メガネ型」という新しいヘッドセットの潮流
『Meta Quest 2』が隆盛する一方で、VRヘッドセットには「メガネ型」という新しい潮流が芽生えようとしています。
メガネ型のヘッドセットは、昨年にはHTC社より『VIVE Flow』が発売されていますが、2022年の初頭にも早速、株式会社Shiftallより『MeganeX』というVRヘッドセットが発表されました。約250g(ケーブル部除く)と『Meta Quest 2』の半分ほどの重量が最大の特徴で、さらに解像度も5.2K、OLED採用と映像面でも申し分ないスペックを誇ります。「メタバース向け製品」として打ち出された『MeganeX』は、価格は10万円未満と発表されており、ターゲットはVRメタバースのヘビーユーザーであると目されます。
従来のゴーグル型のVRヘッドセットと比較すると、メガネ型である『VIVE Flow』と『MeganeX』はまず軽量であるという特徴があります。軽量であることで、装着時の重量負荷の軽減につながり、長時間装着しても疲れにくいのはもちろん、VRに不慣れな人でも少ない負荷でVRを体験できるというメリットがあります。また、メガネのツルの部分を折りたたみ可能にすることで、収納時のスペースをコンパクトにすることも可能です。
こうした運用面におけるメリットもまた、ユースケース次第ですが今後のVRヘッドセットに求められる要素の一つになるでしょう。当然ながら、これはエンドユーザーのみならず、開発者にとっても大きなメリットとなり得ます。
参考:VIVE Flow公式サイト
参考:ShiftallがVRヘッドセット「MeganeX」など、メタバース向け製品3種を発表 – 株式会社Shiftall