ユーザージャーニーとは?カスタマージャーニーの先にあるもの【テンプレート付き】

written by小杉 祐太

NuXRを運営しているMuralの小杉祐太です。
主にXR系のニュース記事などを掲載しているNuXRですが
今回はマーケティングの話題から「ユーザージャーニー」をご紹介します。

ユーザージャーニーとは

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ユーザージャーニーとカスタマージャーニー

ユーザージャーニー(カスタマージャーニー)の共通点は?

ユーザージャーニーに似た語として「カスタマージャーニー」があります。
「カスタマージャーニー」の方が有名かもしれません。「カスタマージャーニーなら知っているがユーザージャーニーは分からない」「同じようなものじゃないの?」という方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、それぞれの何が違うのか、どのように使い分けるのかに着目しつつ、具体的な施策実行までをご説明します。

ユーザージャーニーもカスタマージャーニーも、どちらもユーザー(カスタマー)の消費行動を旅になぞらえて分析するものです。
顧客の具体的な人物像を設定し、初めてサービスや製品の存在を知るところ(認知)から「商品の購入」や「サービスの利用」などのゴールまで、その一連のプロセスをフェーズごとに時系列で整理し、顧客が辿るであろう態度変容や行動、考えの変化を予測します。

これにより、顧客の隠れた不満や顕在化しづらい要望、自社製品の改善すべき点などを検討でき、タッチポイントごとの課題感と改善点を整理。具体的なシステム修正やサービス改善を行います。

「ユーザージャーニー」も「カスタマージャーニー」も基本的にはこの考え方や手法で進めてゆく、UX改善のためのフレームワークです。

ユーザージャーニー(カスタマージャーニー)の違いと使い分け

ユーザージャーニーとカスタマージャーニーの違いは、どのような製品・サービスの分析に用いられるか、という点で分かれます。
ユーザージャーニーは主にwebサービスやアプリ利用時、「サービス内」でのユーザー体験に注目し、カスタマージャーニーは製品・商品の購入等について、どのように購買や再購入に結びつくかまでの顧客体験に注目することが多いようです。

カスタマージャーニーでは製品・商品などの「購入」や「再購入」など顧客が自社製品に触れるところまでを分析の1サイクルとすることが多く、対して、ユーザージャーニーはその先のフェーズ=ユーザーが自社サービスに触れてからサービス内でどう行動するのか、の部分が分析のメインです。

・自社サービス・製品等に到達するまで=カスタマージャーニー
・自社サービス・製品等に到達後=ユーザージャーニー

といった分別が出来るかもしれません。

なぜユーザージャーニー分析が必要なのか?

ユーザー目線でサービス体験を分析。UXの効果的な改善が可能

ユーザージャーニー分析では、ユーザージャーニーマップといわれる図表を用いて、想定顧客(ペルソナ)の行動を予測していきます。

顧客目線での気分変動や、前後のフェーズとの遷移が快適でないことにより発生するストレスなど、フェーズごとに分断された施策分析では気づくことのできないユーザー体験における穴=改善すべき点を可視化することができます。

ユーザー目線でのサービス改善要望や隠れた不満点の発見、それらを元にしたサービス改善は、運営者が常に向き合うべき課題であり、webサービス運営やアプリ運営の生命線とも言える部分です。

サービス改善の基本は「顧客視点」での分析

webサービスやアプリでは、例えば「離脱率の低下」について考える時などに「直前のページからその直後のページへの遷移時に何%が離脱したか」のようにページ遷移時の数値に注目します。
ユーザージャーニーマップはまさにその遷移タイミングでフェーズが区切られており、ユーザーがどのページのどの挙動に耐えられず離脱したか等が一目で分かるため、サービス内のユーザー体験の考察に適した分析と言えます。

ユーザージャーニーマップを使った分析の実施

話を聞くと難しそうなユーザージャーニー分析(ユーザージャーニーマップ制作)ですが、実際に手を動かしてみるとそれほど複雑ではないことに気づけるはずです。
まずはユーザーペルソナを設定し、分析のスタートとゴールを想定してフェーズごとに各項目を埋めてゆき、自社が提供しているユーザー体験についての現状を把握します。
現状が把握できたら、対応する各箇所の改善を優先順位を考慮して取り組むだけです。
DLしてそのまま使えるユーザージャーニーマップのテンプレートを用意しましたので、そちらを使ってぜひ実践してみてください。

ユーザージャーニーマップに必要な情報の入手

意味のあるユーザージャーニーマップを作成するためには
「webサイトやアプリの正確な解析データなどのエビデンスが確かな数値情報」と「設定したペルソナ(顧客)がこの場面で何を考え、どう振る舞うかなどのエビデンスに基づかない推察(アネクドータルな情報)」の両面が必要になります。
前者のような定量的なデータはサービス内に解析ツールを導入するなどを徹底することで確実な情報を手に入れられます。
後者のような定性的なデータについては、例えば”SNS投稿”は「ユーザーがサービスについてどう考えているか(不満があるか)」を発露させる場となる可能性が高いため、定期的なSNS投稿のチェックなどは有効な情報源となり得ますし、ユーザーにアンケートを実施することなども有効な方法です。

DL可能!ユーザージャーニーマップのテンプレートをご紹介

記入例付きの「ユーザージャーニーマップ」テンプレートがダウンロードできます。

株式会社Muralでは、プロダクトマーケティングや営業支援のサービスを提供しています。

[お問い合わせ先]
担当:小杉
kosugi@mur4l.com

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小杉 祐太

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