仮想空間に描く絵画「VRアート」の領域で世界中から注目を集めるアンナ・ジルヤエワ(Anna Zhilyaeva)は、フランスのマルセイユで活動するVRアーティストである。
彼女の年齢はベールに包まれているが、14歳からアート一筋の人生を送り、大学生活、社会人生活を経て2017年からVRアート作品の発表を開始。コントローラーを絵筆に仮想世界のキャンバスへ向かってさらさらと筆を運び、ときには踊るように描画していくユニークな彼女の制作は、パリのルーブル美術館を筆頭に世界各地で開催されるテクノロジーイベントやアートフェスティバルでライブパフォーマンスとして披露され、多くの観客を魅了してきた。
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昨年にはNTTドコモのテレビCMに出演した経験も……。
日本ではこの状況のとおりイベント開催が待たれているが、過去に彼女はDocomo 5GのCM(2020年3月放送開始)に出演している。5Gが広まった社会が作り出す先進的な未来像を人気俳優・佐藤健とともにVRアートで表現したシーンは、幅広い世代へ新鮮な驚きを与えたのではないだろうか。
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こうした彼女の活動のおかげでVRアートは世界的な広がりを見せている。そして近い将来、日本の「絵師」たちの間でもこのVRアートが流行しそうな予感がしてならない。創作活動のさらなる発展を思い描きながら、彼女が描くVRアートはどういった手法で制作されているかをここで紹介したい。
VRペインティングの草分け的存在。Anna Zhilyaevaの3DVRアート
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Anna ZhilyaevaのSNSではMR技術を用いた作品制作のメイキング動画が公開されており、彼女が描く現実の様子と実際に仮想現実内で描き上げられていく作品を合成することで、実際のキャンバスに描いているかのような映像が見られる。
そして冒頭で紹介した動画の中でも触れられているが、彼女がVRの世界で描く作品には奥行きが存在していることが確認できる。彼女がVR上のキャンバスに描いているのは、立体的な3Dオブジェクトなのだ。
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大まかにペイントしていく姿は刹那的で即興性のある動きにも見える。しかし、なにも衝動のままに描いているわけではない。スピード感のある大胆な筆運びで色を乗せていく様子を見ると一体どの部分が描かれているかわからないかもしれないが、彼女がオブジェクトを縮小するとそこには的確に色が置かれていることがわかるだろう。
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