ビジネスで役立つAR、どうやってARシステムを制作する?

written byNuxR編集部

現実世界にデジタル情報を重ね合わせることで、没入的な体験が得られる技術がARです。ARはスマホでも体験できるため、自社でARコンテンツを制作しビジネスに応用しようと考える企業も増えていることでしょう。そこで今回は、ARシステムをどのように制作するのかについて解説します。

ARで何ができる?

AR(拡張現実)とはAugmented Realityの略語で、現実世界の空間にデジタル情報を重ね合わせることによって、現実世界を拡張する技術です。スマホ用ゲームの「Pokemon Go」がARコンテンツの事例としては有名ですが、近年ビジネスへの応用も幅広く見られます。

ARの業務活用例

以下で紹介する代表的なARの活用事例は、ARをビジネスに使いたい企業にとって、非常に参考になるでしょう。

1. ARを使った広告

スマートフォンやタブレットのカメラでマーカーを読み取ることで、ARコンテンツを表示できます。ゲーム性をもたせることによってユーザーの共感を呼び起こし、バズ効果を期待することが可能です。

例えば、リアル脱出ゲームで有名な株式会社SCRAPが、小田急百貨店など新宿駅周辺で専用アプリ「XRシティ」をかざすと遊べるコンテンツを、NTT ドコモなどといっしょに提供しています。

XRシティ/NTT ドコモ、SCRAP、小田急百貨店

2. 作業支援

製造業の保守やメンテナンス作業においては、付加的な情報をタブレットの画面上に表示させることで、正しい手順を確実、かつ効率的に行うことが可能です。また、現場の状況を遠隔地へ送信することで、現場作業員が目の当たりにする視覚をベテラン作業員も共有できます。もちろん、遠隔地からの指示出しもできます。

3. 実寸大でシミュレーション

家具を購入する際、色やサイズ、オプションなどを選択するときに現物が確認できないため、購入してから後悔した経験を持つ方もいるでしょう。

AR技術を活用したルームコーディネート・アプリ「iLMiO AR」を利用すれば、スマホのカメラに映し出された自分の部屋に、家具の3D データを実物大で配置できます。このような技術を用いれば、ユーザー好みのオプションをつけた家具を、実寸大で再現することも可能です。

iLMiO AR/リビングスタイル

AR制作で注意しないといけない2つの軸

AR制作で注意しないといけない2つの軸

ARコンテンツを制作する際、注意しなくてはいけないポイントが、ARコンテンツの制作形態です。以下で、ARの種類を2つの軸から確認しましょう。

どうやってARを見る?

従来のARでは「ARアプリ」と呼ばれる、スマホで現実世界とデジタル情報を融合させた映像を表示するアプリケーションが必要でした。しかし、ARアプリはスマホにインストールしなくてはいけないため、ユーザー障壁が高くなる点が難点といえます。この問題を解決する技術がWebARです。

WebARを活用すれば、専用のアプリをインストールする必要がなく、ブラウザでアクセスするだけでARコンテンツが展開されます。スマホやタブレットにマーカーをかざすと、ARコンテンツが起動される仕組みです。

また、WebARに対応したライブラリがすでに用意されているため、簡単なコードでWebARを実装可能です。ARを制作する企業にとっても、従来のARアプリ開発よりもコストや工数が少なくて済み、ユーザーにとっても専用アプリをインストールする必要もないなど、双方にとってメリットがあります。

AR技術の種類

AR技術によってARを分類することも可能です。

画像認識型

画像認識型とは、スマホのカメラで取得した画像を認識してARコンテンツが表示されるタイプの技術です。画像認識型はマーカーの有無によってさらに分類され、マーカー型ではQRコードをカメラに認識させることで、あらかじめ用意された情報が表示されます。一方、マーカーレス型は画像やイラストなど認識させることで、ARコンテンツが表示される仕組みです。

GPS型

位置情報を読み取ってARコンテンツを表示させる技術がGPS型です。スマホに搭載されたGPSを使って現在地を判別し、あらかじめ用意された情報を表示させます。その代表例が、前述した「Pokemon Go」です。

空間認識型

カメラの映像やセンサーで奥行きや大きさ、平面など現実世界の特徴を認識することで、3次元のAR情報を表示させる技術が空間認識型です。画像認識型と異なり3次元情報を認識でき、立体感のある表現が可能です。

また、ユーザーがコンテンツの表示位置を決められるため、家具や家電の配置シミュレーションにも使われています。

物体認識型

特定の3次元の立体物の特徴点から立体物を認識することによって、関連するARを表示する技術が物体認識型です。例えば、商品にカメラをかざすことで、商品の説明を表示させることができます。

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