XR領域にさらなる仮想体験を。Metaが開発へと取り組む『触覚グローブ』とは
米・Meta(旧Facebook)のAR/VR研究部門であるReality Labsは11月16日、約7年前から開発を進めるXRデバイス『触覚グローブ』の開発状況を公式ブログで報告しました。
https://www.facebook.com/TechAtFacebook/videos/4613917515351815/?t=0
同デバイスは、XR映像にあわせ、触れた仮想オブジェクトのテクスチャ、圧力、振動などを「触覚」として再現するもの。Metaは触覚を、視聴覚と同等にメタバースの没入感に影響する感覚と位置づけ、リアルな体験を得るべく、長年開発へと取り組んできました。現在は長時間装着しても快適さを保てるデバイスを目指していると言います。
触覚グローブには手のひら側に、数百のセンサーと、それに触覚を伝えるための「アクチュエータ」が散りばめられています。最新の設計では、そこにつながるチューブへと空気を送り、グローブにリアルな感覚を伝えています。
https://www.facebook.com/TechAtFacebook/videos/265370998894023/?t=0
Reality Labsでリサーチディレクターを務めるSean Keller氏は、「次のプロトタイプでは、それらの数が10倍に増えるだろう」と語ると同時に、「システムの観点から、(10倍に増えることは)大きな問題になる。将来、(さらに高速な)流体マイクロプロセッサーのようなものが開発されなければ、その問題を解決することはできない」とも指摘。XRデバイスとしての触覚グローブは、ある程度形になってきてはいるものの、完全な製品化まではまだ時間がかかる見通しです。
また、チーフサイエンティストを務めるMichael Abrash氏は、「触覚グローブとスマートグラスの併用が常態化するとは考えていない」と話しました。このことから、今後は触覚グローブの研究で得た知見を生かし、両デバイスの技術を融合したひとつの製品を開発していくものと考えられています。
去る10月には、メタバースへと本格的に取り組んでいく方向性から、すでに一般化したFacebookの社名を正式に変更したMeta。近い将来、私たちの五感はすべて、仮想空間で再現できるものとなっていくかもしれません。