NFTはNon(非)Fungible(代替・交換可能な)Token(証書)の略で、代替できないことの証しです。ブロックチェーン技術を利用して、データがオリジナルだと証明できるようになりました。NFTは耳にする機会が増えましたが「フルオンチェーン」を知っている人は少ないのが現状です。
NFTの状況
2022年6月現在、実はほとんどのNFT作品(テキスト、画像、動画などのデジタルデータ)は直接ブロックチェーンに記録していません。ブロックチェーン上には、実は無機質な文字列(URL)しか記録されていないのです。
なぜならブロックチェーンにイーサリアムで一度に書き込めるトランザクションは、約46.8Kととても小さいため、ほとんどのNFT作品がブロックチェーンの外にあるファイルストレージに画像や動画をアップロードして保存しています。その保存場所を指定する「URL(文字列)」を、ブロックチェーン上に記録する方法が採られているからです。
分散型ファイルサーバーであっても、永劫サーバーが存在し続けるとは限りません。現状の多くのNFT作品が永続性の観点では完全なソリューションとは言えないのが実情です。
フルオンチェーンNFTとは
全てのデータをブロックチェーンに記録するのが「フルオンチェーンNFT」です。
フルオンチェーンとは、ブロックチェーン上のみでデータの管理がされている状態を指します。
イーサリアムでフルオンチェーンNFTを作るには、高額なGAS代がかかるなど制限が多く、国内でフルオンチェーンNFTのプロジェクトに取り組んでいるのはオタクコインなど、数えるほどしかありません。技術発展が進めば永続性の観点から、利用は確実に拡大していくと期待されています。
参考動画:フルオンチェーンNFTとは何か(パジちゃんねる)
フルオンチェーンNFT作品「CryptoPunks」
CryptoPunksは、Ethereumブロックチェーン上の最初のNFT作品で、2021年8月にフルオンチェーン化しました。フルオンチェーンNFTであることの評価が高まり続けており、フルオンチェーンで作られていることが大きな魅力の1つとなっています。
作品サイズは24×24px、8ビットのピクセルアート。個性的な1万人のデジタルキャラクターのほとんどがパンクスタイルの男女ですが、緑の肌のゾンビ、猿、水色のエイリアンなどのレアなキャラクターもいます。
もとはイーサリアムウォレットを持っている人なら誰でも無料で所有権を請求できましたが、現在はマーケットプレイスを介して誰かから購入する必要があります。シンプルなドット絵ながら、1枚数千万円〜という価格が付いていることに驚きます。無料の時代に所有権をGETできた人は本当にラッキーですね!
▼CryptoPunks