VR動画の作り方は、それほど難しいものではありません。しかし「自ら作成してみたいけど、どこか難しそう」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで本記事では、VR動画における具体的な作り方などを紹介します。また、作成に必要なツールやYouTubeへアップする手順についても詳しく解説します。
VR動画の作成に必要な3つのツール
VR動画の作成に必要となる主なツールは次の3つです。
- 高性能パソコン
- VR開発に利用するソフト
- ヘッドマウントディスプレイ
VR動画は処理するデータが膨大になりやすく、パソコンに大きな負荷がかかります。また、従来の動画制作ソフトではVR動画を作成できないため、高性能パソコンやVR開発用のソフトなどの準備が必要です。ここでは各ツールの詳しい内容を解説します。
1.高性能パソコン
VR動画を作成するためには、高性能パソコンの準備が必須です。一般的なスペックのパソコンでも、VR動画を作成できないわけではありません。しかし、データ処理量が膨大なためパソコンへの負荷が高く、動作不良を起こしたり作業中にフリーズしたりなど、正常に動作しない可能性が高いでしょう。
そのため、スムーズに作業をするためには、高性能パソコンの準備をおすすめします。VR動画に適したパソコンのスペックは以下のとおりです。
CPU:Core17レベル
ストレージ:SSD
GPU:GeForceなどの最新バージョン
Cドライブの空き:240GB~480GBを確保
メモリ:32GBの空き(最低でも16GB)
パソコンのスペックについてよくわからないという方は「VR READY」や「VR対応」と記載しているパソコンを選ぶと安心でしょう。
2.VR動画の開発に利用するソフト
高性能パソコンが準備できたら、次はVR動画を開発するソフトを準備します。VR動画を開発するソフトには様々なものがありますが、代表的なソフトは「Unity」と「UNREAL ENGINE」の2つです。なお、ソフトの詳しい特徴は後述します。
3.ヘッドマウントディスプレイ
VR動画の作成に必要なツールとして忘れてはいけないのが、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)です。ヘッドマウントディスプレイとは、頭に装着するディスプレイ機器を指し、VR動画が最大限に楽しめるようになります。
作成したVR動画に不具合がないか確認するためには、ヘッドマウントディスプレイが必要なので、忘れずに準備しておきましょう。
VR開発に必要な2つのソフト
VR開発が行える代表的なソフトは「Unity」「UNREAL ENGINE」の2つです。「Unity」はプログラミングスキルがなくてもVRを開発できるソフト、「UNREAL ENGINE」は高品質なVRを開発できるソフトとなります。
どちらか一方を準備しておけば、VRの開発は可能です。ここでは開発に要するソフトの内容を詳しく解説します。
1.Unity
「Unity」は人気のVR開発ソフトです。Unityの特徴としては「プログラミングスキルが不要」「アセットストア」の2つが挙げられます。
Unityを活用すれば、プログラミングスキルがなくてもVR動画の開発が可能です。また、アセットストアは他のユーザーが作成した背景や音楽などの素材が利用できるプラットフォームです。一部有料のものもありますが、多くは無料で提供されており、初心者の方でも安心して利用できます。
参考:Unity のリアルタイム開発プラットフォーム | 3D/2D、VR/AR のエンジン
2.Unreal Engine
「Unreal Engine」も有名なVR開発ソフトです。Epic Games社が提供しているソフトで、高品質なグラフィックを手軽に作成できます。その質の高さは映画製作にも利用されるほどで、多くの企業が利用しています。
ただし、Unityに比べると開発の難易度は高いといえます。そのため、初心者はUnity、より質の高いVRを開発したい場合はUnreal Engineといったように、使い分けることをおすすめします。
VR動画の作り方は3ステップ
VR動画の作り方は次の3ステップに分類されます。
- コンテンツを企画
- 専用カメラによる撮影
- 専用ソフトによる編集
コンテンツの企画立案は他の動画と大きく違いはありません。しかし、VR動画を作る際には、専用カメラを準備しなければなりません。
また、VR動画は従来の動画では行わない作業を実施する必要があるため、動画編集の際は専用ソフトの準備も必要です。ここでは、VR動画の作り方における3ステップの内容を詳しく紹介します。
ステップ1.コンテンツを企画
VR動画を作るためには、まずコンテンツの企画をします。VR動画は視聴者が自由に視点を決められる点が特徴です。
そのため、視聴者にどのような体験をさせたいのかしっかりと考える必要があります。「方向」や「角度」などにこだわり、どのような映像が視聴者を楽しませることができるのかを企画段階で入念に検討しましょう。
ステップ2.専用カメラによる撮影
コンテンツの企画を練った後、専用カメラによる撮影を行います。専用カメラとは「360度カメラ」のことです。「全天球カメラ」や「全方位カメラ」とも呼ばれる場合もあります。
360度カメラを使用することで、一度の撮影で全方向の映像が撮影できます。ただし、360度カメラを使用した際は、カメラマンなどが写りこむ恐れがあるため、撮影時には注意が必要です。
ステップ3.専用ソフトによる編集
撮影が終了したら専用ソフトによって編集作業を行い、VR動画を完成させます。360度カメラでVR動画を制作する場合、スティッチングという作業を行わなければなりません。
スティッチングとは、様々な角度から撮影した動画をつなぎ合わせていく作業です。スティッチングは通常の動画編集ソフトでは行えません。そのため、専用ソフトを使用してスティッチングを行うとともに、ブレや明るさ補正などの編集を行いましょう。