2023年5月15日、GoogleはBard試験運用版の最新情報ページで、Bardの要約機能が向上されたと発表しました。このほか、Bardからの回答に関連するソースがある場合、回答の横に番号を表示する機能も追加されたとのことです。この番号をクリックすることで、ソースに一致するテキストのセクションに移動し、回答のどの部分がソースと一致しているかを特定できるとしています。
今回の要約機能のアップデートで“より簡潔な要約の生成”が可能になったとされていますが、SNS上での反応を見ると、「URLを貼り付けてWebページの要約ができる」「Bardはインターネットにアクセスできる」といったツイートが拡散され始めています。これらの情報は本当なのでしょうか? さっそく検証してみました。
WebページのURLを貼って、要約はできるのか?
Yahoo!ニュースの記事を要約してみる
選んだニュースはこちら。
■「健康茶」からステロイド 国民生活センターが注意呼び掛け
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1edb45104c82990b98f15d545c9a3afcfb0e89e
選んだ記事URLをBardに貼り付け、要約をお願いしてみます。
結果、ステロイド記事の記述はないニュースの要約が並びました。加えて、要約のなかにあるコロナ関連の情報が古いようです。
このあと別記事で10回ほどトライしてみましたが、最新のニュースを拾うことはありませんでした。ただ、SNSの声のなかにはYahoo!ニュースの要約は可能という声もあります。URLの取得は、Bardのご機嫌次第ということなのでしょうか?
URL指定なしで、リアルタイムな情報の取得を試みる
Bardに「今日のニュースを要約してリスト化してください」と送信してみました。しかし、返ってきたのは2023年2月12日のニュースでした。Googleのニュースタブなどから情報を取得してくるかと思いましたが、これは予想外の反応です。
このあとも指示を出してみましたが、「本日のニュースは……」といいつつ2022年のニュースが続き、Bardは過去を振り返るばかりでした。
本メディアのURLではどう要約するのか
要約に関してはdescriptionから取得しているものと考えられますが、最新記事はBardが言及している記事ではありません。(VR技術がいま抱える課題と問題点とは?今後の課題と解決策を解説 は、2021年9月15日に公開された記事です。)
この時点で「URLを貼り付けることでWebページの要約が可能」という結果は一応確認できましたが、これまでの結果から判断すると、要約の際「Bardはインターネットにアクセスできる」とは言えないように感じています。
超軽量サイト・阿部寛公式Webサイトからデータは取れるのか?
Webページの最新情報が取得できない原因として、Wordpress製のサイトや更新頻度が高いサイトは解析するカロリーが高かったりするのでしょうか。
そこで、“爆速表示”でおなじみの 「阿部寛のホームページ」内にある最新情報を取得できるか、Bardにかけてみました。
すると、表記はBard側でやや調整されているものの、公式サイトの最新情報が取得できていました。「Bardはインターネットにアクセスできる」という説は、もしかすると一部のサイトやタイミングによっては可能なのかもしれませんね。
ちなみに、chatGPTのWeb Browsingで阿部寛公式サイトのURLをかけた結果、「問題が発生しました」として残念ながら開くことができませんでした。果たしてどのような解釈で出力されるのか、出力を見ることができたラッキーな方は、NuxRのTwitterまで教えてください!
Bardの注記として「Bard で生成される情報は不正確または不適切な場合があります」と記されているとはいえ、SNSでは例外があることの情報が隠れている場合もあります。面白そうな情報があったときには拡散する前に、ご自身でも何度か確かめてみることをお勧めします。