コロナ禍により、旅行は気軽にいけなくなりました。2022年1月、VR旅行サイトの「どこでもドアTrip」が1500名を対象に実施したアンケート結果によると、新型コロナウイルスの影響もあり、旅行に関しては「控えている」との回答が82.9%。しかし、「コロナが治まったら国内旅行に行きたい」と83.3%が回答されています。(引用: どこでもドアTrip調査結果サマリー )
長引くコロナ禍で“我慢の年”が続くなか、「自分の足で観光地へ行きたい」という方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、VRを使った「バーチャルツアー」の事例を紹介し、バーチャルツアーへのポジティブな気持ちを引き出したいと思います。
事例1.バーチャルツアーで世界各地の旅にでかける!
株式会社Travel DXは、VRを活用した観光地めぐり「どこでもドアTrip」の提供を開始しました。「どこでもドアTrip」の魅力は、VRゴーグル「Meta Quest2」を使った没入感のある海外旅行が体験できることです。
どこでもドアTripが実施したWEBアンケート結果によると、バーチャルツアー(VR旅行)のメリットとして次の3点が挙げられます。
- 好きな時間に旅行ができる
- 天候に左右されない
- 危ないところにも行ける
(引用: どこでもドアTrip調査結果サマリー )
通常の海外旅行と違い、バーチャルツアーならVRならではの視点から観光ができ、旅先へ向かう時間もショートカットできるため、気軽に海外旅行を体験することができますよ。
概要: どこでもドアTrip
「どこでもドアTrip」では、ニュージーランドの雄大なタスマン氷河やフィリピンのボホール島でのウミガメ観察体験など、行ったことのない世界を見て回り、知識や見地を広めることができます。さらに、はなれた家族や友人・恋人と一緒にツアーもできるので、以前実際に訪れた場所をVRで巡り思い出話に花を咲かせるといった楽しみ方も可能です。
*映像体験スポット、所要時間、料金は各ツアーごとで異なります。
どこでもドアTrip Travel DXのVR旅行 公式サイト
事例2.VRでまるごと体験できるバーチャルツアーで修学旅行!
バーチャル修学旅行360
2021年、株式会社JTBは「バーチャル修学旅行360」の提供を開始しました。このプロジェクトでは、まず生徒にひとり一台簡易ゴーグルが提供されます。
VR体験では、教室からバーチャルツアープログラムとして用意された映像をVRで体験します。伝統文化体験では、学校と現地をオンラインでつなげ、伝統文化を教室で体験することができます。
このプロジェクトの魅力は、株式会社JTBによるリアルとバーチャル体験の組み合わせです。バーチャルツアーの没入感と教室から清水焼き絵付けや和菓子作りなどをリアルな体験をすることによって、修学旅行に行った楽しみを体感できます。
概要: バーチャル修学旅行360日光編
映像体験スポット: 日光東照宮、華厳の滝、中禅寺湖、戦場ヶ原、足尾銅山
所要時間: 90分程度
料金: 小・中学生1名あたり 2,970円(税込) ※最少催行人員70名
リアル×VR新感覚体験プログラム「バーチャル修学旅行360」公式サイト
バーチャル修学旅行360 SDGs学習プログラムも追加!
SDGs※を学べる日光編と沖縄編が新たに追加されました。みなさんは修学旅行へ行く前に、現地のことを調べる授業がありませんでしたか?
VRは体験型学習(アクティブ・ラーニング)と相性がいいと言われています。五感を刺激し、簡易ゴーグルを使って自分の視点で観察できるため、VRを使ったバーチャルツアーは事前学習に最適なのです。
※SDGsとは
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。(引用: imacocollabo SDGsとは? )
事例3.病床にいる女性が家族とバーチャルツアーを体験
エムスリー株式会社は、『病や障がいと共にある方』の願いをかなえるプロジェクト「CaNoW(カナウ)」を提供しています。本記事で注目したのは、2022年2月7日に紹介されたCaNoWプロジェクトで、ALS(筋萎縮性側索硬化症)※と診断された女性がVRを使って外の世界を楽しむプロジェクトです。
体験者さんはウミガメと一緒に泳ぐ「水中遊泳」や世界中を旅行する「世界テレポート」、実際に乗った感覚が味わえる「ジェットコースター」などのVRコンテンツを体験されました。
医療スタッフさんの細やかなケアがあり、体験者さんは安心して参加されていたように見えました。最も印象的だったのが、バーチャルツアーを体験した際に体験者さんが笑っていられたことです。
VRは新たな体験にチャレンジできる、やりたいことができる点が魅力で、今後医療や福祉の幅広い場面で用いられる可能性を感じました。
※ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは
ALSは全身の筋肉を司る神経が障害され、体を動かすことができなくなる難病のこと。
▼詳細はこちらから
CaNoW 願いカナウ 【患者さん・高齢者・障がいをお持ちの方の願いを叶えるエムスリー株式会社のプロジェクト】 VRで外の世界を楽しみたい!
バーチャルツアーの体験から生まれる、新しい時間の過ごし方
現地へ自分の足で赴く場合、移動方法やそれにかかる時間・費用の壁がある一方で、バーチャルツアーなら、現地へ向かうことなく短い時間で没入感のある体験ができます。
- 現地へ行く前にバーチャルツアーを利用する
- 思い出をバーチャルツアーで振り返る
- 普段体験できない場所にバーチャルツアーで参加する
- 目的地まで向かうことが難しいため、バーチャルツアーを利用する
このように利用目的が確立されつつあるバーチャルツアーは、サービス提供者側にとって、より多くのサービス提供が見込めます。昨今のコロナ渦を契機に、VRを用いたバーチャルツアーの導入は観光業界のみならず今後さまざまな業界で着実に増えていくのではないでしょうか。