楽天
楽天グループ株式会社は、インターネット関連サービスを提供する企業です。社内カンパニー制を導入しており、「インターネットサービスセグメント」「フィンテックセグメント」「モバイルセグメント」の3つのセグメントで事業を展開しています。2022年2月25日から「Rakuten NFT」のサービス提供を開始しました。
楽天はなぜNFT事業に参入したのか
楽天には1億を超える会員基盤があります。その楽天会員基盤を活用しNFTビジネスを展開することで、NFT市場の拡大に寄与したいとの思いからNFT事業に参入したようです。
また「Rakuten NFT」の強みは、日本円決済が可能な点と楽天ポイントの利用が可能なNFTプラットフォーム構築です。ポイント利用可能なNFTプラットフォームは珍しく、楽天ポイントに親しみがある日本人がよりNFTに関心を持てるでしょう。楽天がNFT事業に参入することで、より幅広いユーザーがNFTを保有することに価値を感じられるよう事業を展開していくと発表しています。(参考:日経TREND SPECIAL)
楽天NFT事業における取組み事例
この章では、楽天が展開するNFT事業を紹介します。
NFTマーケットプレイスおよび販売プラットフォーム「Rakuten NFT」を開始
楽天は、NFTプラットフォーム「Rakuten NFT」の提供を2022年2月25日に開始しました。「Rakuten NFT」は、音楽やアニメ、スポーツの名場面などエンターテインメントの分野におけるNFTを売買できるマーケットプレイスです。
大きな特徴として、次の4点が挙げられます。
- 決済に楽天IDを使用できる
- 楽天ポイントをためることができる
- 楽天ポイントを使うことができる
- 楽天IDに登録しているクレジットカード決済が可能
日本国内でのポイントサービス市場は拡大しており、2024年には日本国内でのポイント発行額が2兆4000億円を超えると見込まれています。(参考:ITmediaビジネスONLINE)
楽天ポイントを使ってNFTの売買ができることから、日本国内でのNFT市場がさらに盛り上がると予想されます。
▼参考記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001657.000005889.html
テレビ朝日
株式会社テレビ朝日メディアプレックスは、クラウドマイグレーション、ビッグデータソリューション、デジタルマーケティングのサービスを提供し、顧客のメディアやコンテンツにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する企業です。2021年11月30日にテレビ朝日メディアプレックスは、NFT事業に本格参入しました。
テレビ朝日はなぜNFT事業に参入したのか
「テレビコンテンツを利用してNFTのビジネスをさらに拡大できないか?」という疑問から、テレビの新しい体験や価値を創出し提供したいという思いに繋がったそうです。NFT事業で、ジャパンコンテンツの世界発信や若手クリエイターの育成などを目指すと発表しています。
テレビ朝日NFT事業における取組み事例
この章では、テレビ朝日が展開するNFT事業を紹介します。
テレビアニメ「リーマンズクラブ」がNFTデジタル原画を販売
「リーマンズクラブ」は2022年1月29日よりテレビ朝日にて放映が開始されているオリジナルテレビアニメで、バドミントンの実業団選手達による、サラリーマンの日常とスポーツ選手のドラマの両面を描いた作品です。制作はライデンフィルムが担当しています。
NFTデジタル原画の販売所は、株式会社メディアドゥが運営する「FanTop」でおこなわれ、全ボックス限定50個限定で販売が開始されました。放映中のアニメをNFT化する例はあまり聞かれません。また、放映中のデジタル原画販売は珍しく、今後ここから新たな市場が生まれる可能性が感じられます。
▼参考記事
https://www.mediaplex.co.jp/news/20220317/
NFT事業にテレビ朝日メディアプレックスが参入!「東映ロボットアニメ」NFTトレーディングカードを販売
第1弾の参加作品は次の6タイトルになります。
- 超電磁ロボ コン・バトラーV
- 超電磁マシーン ボルテスV
- 闘将ダイモス
- 宇宙大帝ゴッドシグマ
- ビデオ戦士レザリオン
- 未来ロボ ダルタニアス
これらのNFTはLINEが開発した「LINE Blockchain」を基盤技術に採用しています。日本にはLINEユーザーが多く、東映が持つさまざまな映像コンテンツを掛け合わせることで、NFTを幅広い世代にアプローチしていくことがうかがえます。
▼参考記事
https://www.tv-asahi.co.jp/toei_tc/
大手の参入が相次ぐNFT事業。企業間競争は激化か
2022年4月中のサービス開始が発表されたばかりの「LINE NFT」、DAZN×ミクシィによる「DAZN MOMENTS」などIT大手の参入が目立つなか、三菱UFJ銀行は3月3日、The Sandboxなどの人気NFTゲームを手掛けるアニモカブランズ(香港)と協業し、NFT事業に参入することを明らかにしています。国内の銀行でNFT事業を手掛けるのは、この事例が初となりました。
企業も個人もNFT事業参入の一連の動きを見守るなか、NFTは、従来の販売や生産活動のさらに一歩先に踏み出しています。今後、企業間競争が過熱することで革新的なサービスがもたらされ、新市場の創出に繋がることに期待したいですね。