前回:<Oculus Quest 2購入記⑥>ボクシングゲーム「The Thrill of the Fight」で3日間筋肉痛に……。
ずっと見たかった「秘湯ロマンVR」のことを思い出したのは、ボクシングゲーム「THRILL OF THE FIGHT」でガンガン戦った次の日の朝のことだった。いつものように勢いよくベッドから起きると、突然肩甲骨あたりにビビビー!!っとした痛みが走った。
「くァーっ!! イターッ!!」
辛抱知らずの私は、すぐに痛みを声に出した。おわかりのとおり、筋肉痛がやってきてしまったのだ。うーむ、運動不足のわかりやすいボディである。
今日はもう運動できないよォ……イテテ、などと弱音を吐きながら、ちゃっかり朝もはよからBeat Saberの練習に精を出した。が、腕を挙げると肩周辺の筋肉がこわばるのを感じて1曲だけにとどめることに。いまは超回復の時間か、やはり安静にしておくべきなのか。
筋肉が悲鳴を上げているこんな日は、温泉で癒やされたいものである。
チョロチョロチョロ、チャップンコ。温泉の景色が浮かんだその瞬間、私は「あーっ!!」と声を上げた。そういえば、ずっと見たかった「秘湯ロマンVR」をまだ見ていないことを思い出した。VRゴーグルを買ったら絶対に見たい動画だったのだ。(そのために100均で500円VRゴーグルを買ったのに、それさえも忘れていた。)
これは……思い出したからには絶対に見るしかない!
さっそくDMM.comのアプリをダウンロードして、レビューにも構わず購入したのであった。
テレ朝のご長寿番組「秘湯ロマン」の魅力
「秘湯ロマン」の存在を知らない方のために少し解説をしておくと、本来「秘湯ロマン」はテレビ朝日で放送しているテレビ番組であり、そのテレビ番組がVR化されたのが、この「秘湯ロマンVR」なのだ。
「秘湯ロマン」はその名からも匂わせているように、秘湯や新旧の温泉宿を紹介する番組で、放送からかれこれ20年以上は続いている息の長い番組だ。放送時間帯は深夜ということもあり、知る人ぞ知る長寿番組といっても過言ではない。
「深夜帯に放送しているのにはなにか理由があるのでは」と思いきや、まったくそういう要素はない。(といっても、一部ではお色気番組といわれているが。)
秘湯ロマンでもっとも心が熱くなる場面は冒頭にある
放送当初から変わらないかは定かではないが、私が秘湯ロマンを見始めた400回目あたりからはお決まりの流れが続いている。
冒頭、美女が温泉を楽しむシーンが数秒 *いきなりOPの場合もある
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円広志が歌う主題歌「静かな戦士」が流れる(ここ重要)
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旅人とともに旅先の紹介(宿の周辺散策、宿のご飯、温泉など)を2軒分
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エンディングでまたも「静かな戦士」が流れる
冒頭、「静かな戦士」のピアノの音が流れた瞬間のあの安心感。そして「礼に始まり礼に終わる」のごとく、冒頭と終わりで2回流れる円広志の歌声。
この流れは宿に泊まるときの緊張感にどこか似ている。宿に向かい、チェックインを済ませ、温泉に浸かり一日の疲れを癒やす。この一連の流れをこなしたご褒美のように「静かな戦士」が流れる。
温泉に浸かる美女、美味しいご飯を楽しむ美女――秘湯ロマンで紹介されている宿なら、どんな宿でも憧れのひとときだ……と、つい熱く語ってしまったが、なぜ日曜の昼にやらないのだろう、というくらい本当に上品な旅番組なのである。だが、秘湯のように見つかりにくい時間帯に放送するのがまた素敵なところなのかもしれない。