近年、メタバースの発展とともに仮想空間プラットフォーム内の土地(仮想不動産)に関心が集まっており、仮想不動産の購入や土地開発が活発になっています。この記事では、主にゲームプラットフォーム「The Sandbox」に関連する国内・海外の仮想不動産の事例を紹介します。
The Sandboxとは
香港のBACASABLE GLOBAL LIMITEDが運営する、ブロックチェーン技術を活用したゲームプラットフォーム「The Sandbox」。3Dボクセルで形成された統一性のある世界観を持ち、プレイヤーは、3Dボクセルでアイテムの作成から、ゲームプレイまで体験することができます。
ゲーム性が近いものとして「Minecraft」を連想する方も多いでしょう。「The Sandbox」が他のゲームと異なる点は、無料で提供されている制作ツール「Vox Edit」「Game Maker」から作成されたコンテンツや土地を「The Sandbox」上のNFTマーケットプレイスで販売することが可能な点です。
▼公式サイト「The Sandbox」
The Sandbox ゲーム – ユーザー制作による仮想通貨 & ブロックチェーンゲーム
日本国内におけるバーチャル空間の土地開発事例
現在国内では、音楽・ゲーム・ファッションなど幅広い業界が「The Sandbox」に参入しています。ここでは日本国内のバーチャル空間の土地開発事例を紹介いたします。
国内事例1:The Sandbox上で「エイベックスランド(仮称)」を構想
エイベックス・テクノロジーズ株式会社は、ゲームプラットフォーム「The Sandbox」上に「エイベックスランド(仮称)」を2022年度中にオープンすることを発表しています。これに先駆け、浜崎あゆみ、ピコ太郎ら人気アーテイストのNFTアイテムを販売しました。
「エイベックスランド」で開催される初回イベントとして、配信ライブやファンミーティングなどの実施を検討しているそうです。
コンテンツホルダーであり、そのコンテンツを生み出す人材育成など音楽や映像に関連した幅広い事業をおこなうavexの原点はダンスミュージックにあります。2007年に惜しまれながらクローズとなった伝説のクラブ・ヴェルファーレや、若者を熱狂させた「パラパラ」など、各時代を彩ったブームがメタバース上で楽しめる日がくるかもしれません。
●エイベックス・テクノロジーズ株式会社が販売したNFTコンテンツ
NFTアイテムセット①~④セット+「エイベックス パス」+The Sandboxの土地「LAND」
①ピコ太郎(リュックサック、アップルペン、パインペン)
②浜崎あゆみ(ayupan)23rd Monster
③AmPm DJブース
④大沢伸一(MONDO GROSSO)DJブース
▼参考記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000083684.html
国内事例2:コインチェックとThe Sandbox、メタバース上で都市開発を開始
コインチェック株式会社と「The Sandbox」が共同製作中のメタバース都市「Oasis TOKYO」は、2035年の近未来都市をコンセプトに、コミュニティの創出、育成を目的として現在開発が進められています。多彩な分野のアーティストとファンとの交流ができる場所になるよう、美術館やステージなどさまざまなイベント施設が建ち並ぶ見通しです。
現在予定されているイベントは“サムライ・ギタリスト”であるMIYAVIの音楽イベントや、元AKB48・小嶋陽菜が手掛けるアパレルブランドとのコラボ企画が発表されています。
「Her lip to」コラボ企画発表の数日前には、小嶋陽菜のTwitterにて、趣味で作ったというNFTをツイートにて公開。作品は展示のみで現在購入はできませんが、今回のコラボ企画をきっかけに、イベントに関連した新規NFTの販売も期待されます。
https://twitter.com/kojiharunyan/status/1496114394446823424
▼参考記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000117.000021553.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000112.000021553.html
国内事例3:SHIBUYA109が「メタバース・NFT事業」に本格参入!
2022年3月1日、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントは、メタバース・NFT事業に本格参入することを発表しています。「若者がワクワク・ドキドキできる遊び場」を目的に、今後「The Sandbox」上で「SHIBUYA109 LAND」を開設し、これまでリアルで展開してきたアーティストやキャラクターとのコラボレーションを展開する予定です。さらに、オリジナルNFT販売やNFTが手に入るミニゲーム、メタバース上での広告事業を提供する予定であることも明らかにしており、若者にとってNFTやメタバースがより身近になる仕掛けづくりが検討されています。
▼参考記事
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000033586.html
国内事例4:スクエニのアクションRPG「ダンジョン・シージ」がThe Sandboxでプレイ可能に
スクウェア・エニックスは、2002年に発売されたアクションRPG「ダンジョン・シージ」を「The Sandbox」内でプレイできるように開発中と明かしています。The Sandbox版では、ゲーム内のボクセルキャラクターやアイテムをThe Sandboxの無料制作ツール「VoxEdit」と「Game Maker」を使って作成することができ、自分だけの冒険を製作できるようになります。
今回、The Sandboxとスクエニがパートナーシップを結んだことで、SNS上ではスクエニの人気タイトルとのコラボを待ち望む声が寄せられています。
●ダンジョン・シージとは?
2002年にGas Powered Gamesが開発したRPGコンピューターゲーム。のちにスクウェア・エニックスが「ダンジョン・シージ」の権利を買収しています。
▼参考記事