VRの制作には特殊な機材や編集技術などが必要になるため、通常の動画よりも制作費用がかかります。ただし、何を制作するかによって費用も大きく変わってくるため、事前に相場を確認しておきましょう。
ここでは、VRの制作費用をケースごとに解説するとともに、制作費用を抑える方法を解説します。
VRの制作費用はどうやって決まる?内訳を紹介
VRを今まで一度も制作したことがない場合、どの作業にどれだけのお金がかかるのかを把握できないため、予算を立てにくい傾向にあります。予想外の制作費用が発生して、あとで困ることがないように、制作費用の内訳などを事前に確認しておくことが大切です。
ここでは、VRコンテンツの制作費用はどのようにして決まるのか、その内訳を確認しておきましょう。
特殊機材や編集技術などの費用
VRコンテンツを制作するためには、特殊な機材や編集技術が必要です。特殊なカメラや専用の編集ソフト・アプリ、高度な編集技術も必要になるため、制作費用は通常の動画制作よりもコストがかかります。
撮影した映像のつなぎ目をわからないように処理するステッチワークに膨大な時間がかかるほか、映像に入ってしまった不要な箇所をレタッチする修正作業など、撮影後の作業も手間がかかります。
そのため、トータル3分~5分程度の短いVRコンテンツを作るだけでも、制作費用は数十万円ほどかかります。30分を超えるような時間の長いコンテンツやVRゲームを制作する場合、トータルコストは軽く1,000万円を超えるでしょう。
専門の制作会社に依頼する費用
VR動画を制作する機材やノウハウがない場合は、専門の制作会社に依頼するのも一つの方法です。制作会社では、低料金のプランから高画質カメラを使用したプレミアムプランなど、さまざまな料金プランを用意しています。
撮影費から編集費まですべて含めたパックプランも用意されているので、予算に合わせて選びましょう。
VRの制作費用相場を工程ごとに紹介
VR制作は、撮影や編集などの工程ごとに費用が発生します。VR制作の工程で最もお金がかかるのは、3DCGの制作費用です。すべての工程にこだわって制作していると、トータルコストが高額になり、予算オーバーになる可能性があるので注意が必要です。
ここでは、VR制作の工程を解説しながら、工程ごとのおおまかな制作費用相場を紹介していきます。
1.撮影費用
撮影費用とは、360度映像を撮影するときにかかる費用です。全方位を撮影するには複数のカメラが必要ですが、撮影に使用する撮影機材のグレードによって料金が変わります。
1分~3分程度の短いVRコンテンツを簡易的な360度カメラを用いて制作する場合、撮影費用の一般的な相場は5~10万円前後です。ドローンやセグウェイなどの機材や、複数のアクションカメラを使用して撮影する場合は、15~30万円前後の撮影費用がかかります。
2.編集費用
編集費用は、撮影した360度映像をコンテンツとして編集して仕上げていく作業にかかる費用です。
編集作業で最も手間がかかるのは、複数の映像を違和感のないようにつないでいくステッチワークです。複数のカメラを使った360度撮影では、必然的に映像のつなぎ目が生まれてしまうため、ステッチワークに膨大な時間を要します。
編集には一定のスキルが求められるため、費用も自ずと高くなります。一般的な価格相場は5~25万円前後です。
3.3DCGの制作費用
VRゲームやアニメーションを制作する場合、コンテンツに登場するキャラクターや背景、などの3DCGを制作する必要があります。キャラクターの動きやモーションキャプチャーなど、3DCG制作にこだわればこだわるほど、制作費用もどんどん跳ね上がっていきます。
制作会社によって3DCGの制作費用は異なりますが、3分程度のVRコンテンツを制作する場合の一般的な相場は40万円前後です。
4.音響・ナレーション費用
編集を終えたVRコンテンツにBGMや効果音、ナレーションなどを追加する場合、一般的に5~10万円前後の費用がかかります。ただし、音響を加える際に声優を起用したり、録音スタジオを利用したりする場合は、相場よりも価格が高くなるでしょう。
なお、インターネット上で公開されている無料の音源データを使えば、コストを節約することも可能です。