VRモデリングは、実際にオブジェクトを目で見ているような感覚で直観的に操作できるため、初心者の方でも比較的簡単に行うことが可能です。
この記事では、VRモデリングのメリット・デメリットや始めるときに必要なもの、おすすめのVRモデリングソフトを紹介します。
VRモデリングとは?
VRモデリングとは、VR空間内でモデリング作業を行うことを指します。バーチャルでありながらも、実際に存在するかのようにモデルをつかんだり、動かしたりできるため、細かく作り込むことが可能です。
VRモデリングをする際は、VRヘッドマウントディスプレイを装着し、専用のモデリングソフトを通して作成していきます。
実際に目で見ているような感覚でオブジェクトを見渡すことができるため、作成したモデリングデータを3Dプリントで造形する前のゆがみなどに気づきやすいという特徴があります。
VRモデリングの3つのメリット
VRモデリングには3つのメリットがあります。
- 1.短時間かつ感覚的にモデリングできる
- 2.初心者でも使い方の習得が容易
- 3.楽しみながらモデリングができる
ここでは上記のメリットを詳しく解説していきます。
1.短時間かつ感覚的にモデリングできる
VRモデリングを行うことで、直観的に造形物を制作可能です。VRモデリングはVR空間で造形作業をするため、実際にその場にモデルがあるような感覚で作業ができる特徴があります。
従来のモデリングソフトは3DCGソフトを用いて、3次元的なモノを2次元で作るため、やりにくさを感じる場合が出てくるでしょう。
また、直感的にモデルを変形したり、スケッチ感覚でモデリングができたりするため、従来の方法に比べ制作にかかる時間の削減も期待できます。
2.初心者でも使い方の習得が容易
VRモデリングなら、CADなどのように難しい操作を必要としないため、初心者でも使い方の習得が比較的容易だといえます。なぜならVRモデリングは、目の前のオブジェクトを手で積み上げたり、削ったり、頭よりも体で作業が覚えられるためです。
また、直観的に操作ができるため初心者の方であっても、短時間で作品を作成できます。なお、初心者の方がVRモデリングツールを使用して作成した造形物が以下の画像です。
(引用:マイナビニュース|VRモデリングは単純に楽しい! ZBrush伝道師の福井信明氏が語るVRの可能性と活用法 – ワンフェス2020[冬])
時間をかけて作ったように見えますが、30分ほどしか制作時間はかかっていないようです。
3.楽しみながらモデリングができる
VRモデリングはVR空間で作成するため、ゲーム感覚で楽しみながらモデリングをすることが可能です。
机上で行うことが多かった従来のモデリングと比較すると、VRモデリングは現実とは違う空間で作業を行うため、非日常感があり自分の手でモノづくりを行っている感覚が得られます。
そのためVRモデリングは、PCを使用したモデリングとは異なる楽しさを与えてくれるでしょう。
VRモデリングの2つのデメリット
VRモデリングには以下のようなデメリットもあります。
- 1.完成品に仕上げるのはまだ難しい
- 2.酔いやすい
ここではVRモデリングを行う上でのデメリットを、詳しく紹介していきます。
1.完成品に仕上げるのはまだ難しい
VRモデリングはあくまで、VR空間で造形をする手法です。現実で行っているような細部の作りこみなど、細かな部分にまで手を行き届かせるのは難しいでしょう。
しかし、VRモデリングにはある程度の形を作るには十分な機能を持っています。今後技術が発展すれば、このような課題の解決も期待できるでしょう。
2.酔いやすい
VR空間に馴染みのない方は「酔いやすい」といったデメリットがあります。
そのため、人によっては数十分で酔いを感じてしまい、長時間のモデリングができない場合もあるでしょう。
酔いを防ぐテクニックなども普及しているため、ある程度の対応は可能ですが、現状は「アイデアを立体化するプロトタイプとして使用する」といった業務フローの一環としての使用が現実的です。
VRモデリングに必要なモノ
VRモデリングに必要なモノは「ヘッドマウントディスプレイ」と「VRモデリングソフト」の2つです。
これだけ揃えれば、すぐにでもモデリングに取り掛かることができます。
ヘッドマウントディスプレイ
VRモデリングを行うためには、モデリングソフトに対応しているヘッドマウントディスプレイを用意しましょう。現在は様々な機種が発売されていますが、中でもおすすめなのが「Oculus Quest」です。
Oculus Questは一体型なため、PCとケーブルを繋いだりする必要が無く、ヘッドセット単体で動作します。そのため、本当に自分がVR空間にいるかのような没入感を体験できるのが特徴です。
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VRモデリングソフト
VRモデリングソフトも、日に日に増え続けている傾向にあります。後ほど詳しく紹介しますが、趣味でモデリングをする場合には、無料で使えて高機能なアドオンが広く公開されている「Blender」を活用しましょう。
そのほかにも、一部料金はかかりますが、「Gravity Sketch」や「Oculus Medium」なども高機能なためおすすめです。
次の章で、VRのモデリングツールを詳しく紹介していきます。