音楽NFTの二次流通における著作権処理を強化するため、レコチョクとSBINFTによる新たな取り組みが始まっています。両社の取組みは音楽NFTの著作権保護とアーティストのロイヤリティ確保を目指すもので、円滑な取引を可能にする新たなシステムの導入が、アーティストと購入者の双方の利益を守る役割を果たすとみられます。
レコチョクが音楽NFTの二次流通取引で「SBI Web3ウォレット」を採用
音楽配信サービスを運営するレコチョクのECソリューション「murket」で発行・販売するNFTのうち、権利者が二次流通を希望したNFTは、SBINFTが運営する「SBINFT Market」内の「murket Second Market」というサービスでNFTを売買可能としていましたが、音楽NFTの二次流通においては著作権処理が課題となり、販売が制限されているのが現状でした。こうした課題に対し、2023年6月23日、レコチョクとSBINFTは、音楽NFT発行元である事業者やクリエイターへのロイヤリティ支払い、著作権管理団体への著作権使用料の支払いを日本国内限定でおこなう仕組みを構築したと発表しています。
ユーザーは、著作権使用料の支払いを前提に、審査承認済みのアーティストが制作したNFTのみを取り扱うことができるパブリックチェーン型NFTマーケットプレイスである「SBINFT Market」内で、音楽NFTの売買を行うことができます。ただし、現時点では「murket」で販売された音楽NFTの二次流通に関しては、「SBINFT Market」のみで対応としているとのことです。
また、「SBI Web3ウォレット」が採用されたことにより、ユーザーは法定通貨でNFTの取引が可能になり、ウォレット管理や暗号資産取引の手間を軽減することができるとし、音楽NFTの二次流通先を国内に限定し、その取引を円滑に行えるようにすることで、著作権処理の効率化が図れるといいます。
音楽をNFTの形で販売することで、アーティストは作品をファンに届けるだけでなく、二次流通を通してロイヤリティを受け取ることが可能になります。今回の新たな仕組みによって著作権管理団体への報告処理はスムーズに行われるため、ユーザーは著作権侵害のリスクを気にすることなく、音楽NFTの購入と売却を安心して行うことができるとのことです。
レコチョクとSBINFTは、今後も音楽業界とNFT市場の健全な発展に寄与するため協力して事業を推進していく予定としています。デジタルスペース時代の展開を見据えた、新たな環境の整備に力が注がれていきそうです。