ARマーカーとQRコードは性質が似ているためよく混同されますが、両者には明確な3つの違いがあります。本記事では、ARマーカーとQRコードの違いやARの活用事例を紹介していきます。また、ARマーカーの仕組みや作成方法もあわせて確認していきましょう。
ARマーカーとQRコード、3つの違い
ARマーカーとQRコードのそもそもの違いは「ユーザーが体験できる幅が違う」点にあります。
ARマーカーの場合、読み取り後に3Dのキャラクターが現われたり、動画や画像などを表示したりすることが可能です。これに対してQRコードは、リンクされたWebページに移動するだけとなります。
そのため、ARマーカーの方が幅広い体験ができるということがわかるでしょう。他にも、アプリの必要性やデザインの幅などにも違いがあるため詳しく紹介していきます。
1.アプリの必要性
ARマーカーとQRコードの違いとして「アプリが必要か、そうでないか」という特徴があげられます。
QRコードは、スマホのカメラで読み込むことが可能なため、アプリは必要ありません。しかし、ARマーカーはスマホのカメラでは基本的には読み込めないため、専用のアプリが必要な場合があります。
AR読み取りアプリとしては、「COCOAR」や「AReader」が代表的です。一度確認しておくと、イメージが湧きやすくなるでしょう。
しかし最近では、アプリを介さずにARマーカーを読み取る「WebAR」というサービスが登場しています。アプリダウンロードの必要がないため、手軽にARが体験できる点が特徴です。WebARについては後ほど詳しく紹介します。
2.デザインの幅
ARマーカーはQRコードに比べ、デザインの幅が非常に広いという違いがあります。その理由としては、写真やイラストなどの画像であれば基本的にどのようなものでも、ARマーカーとして使用できるためです。
例えば、自分のカメラロールにある写真もARマーカーとして使用できます。一方でQRコードの場合は、コードの色を変えたり、コードの真ん中にマークを入れたりする程度のデザインしかできません。
このようなデザイン性に幅がある点も、ARマーカーとQRコードの大きな違いといえるでしょう。
3.ユーザー体験
前述した通り、ARマーカーとQRコードでは、ユーザー体験の幅が大きく変わってきます。その理由としては、ARマーカーの場合、多くの情報やコンテンツをアウトプットできるためです。
例えば、かざしたARマーカーの上に、3Dオブジェクトや動画、スタンプカードや電子書籍などを表示させることができます。また、位置情報や時間情報との連携も可能なため、時間や場所によって表示されるコンテンツを変えるといったことも可能です。
QRコードは気軽に情報を呼び出せるメリットはありますが、あくまで呼び出せるのはWebサイトだけです。このことからも、ARマーカーとQRコードでは、ユーザー体験の幅が大きく異なることが分かるでしょう。
ARマーカー | QRコード | |
アプリの必要性 | あり ※(WebARの場合必要なし) | なし |
デザインの幅 | 写真やイラストなど、幅広く使用できる | 色の変更やマークの追加に限られる |
ユーザー体験 | 3Dオブジェクトや動画などを通して、さまざまな体験ができる | 呼び出せる情報はWebサイトに限られる |
ARマーカーの仕組みと作成方法
ARマーカーの仕組みは「ロケーションベース型」と「ビジョンベース型」の大きく2種類があります。
「ロケーションベース型」はGPSなどの位置情報と連携して、情報を表示する方法です。また、特殊なセンサーによって端末の向きを測定したり、傾きを把握したりすることで、画面上の正確な位置に情報を表示することが可能になります。
「ビジョンベース型」は、カメラから取得したARマーカーを読み取り、情報を表示する方法です。ビジョンベース型はあらかじめ登録した画像やイラストに紐づいた「マーカー型」と、実物の物体や建物に紐づいた「マーカーレス型」に分けられます。
ARマーカーの作成方法
ARマーカーの作成方法は、マーカーにしたい画像やイラストなどをあらかじめ「ARエンジン」に登録することで作成できます。
このARエンジンは、誰でも気軽に無料で利用できるものから、専門的な開発スキルを必要とするものまでさまざまです。試しにARマーカーを作成してみたいという方は、これから紹介する無料作成サイトの利用をおすすめします。