ARの種類は大きく分けて3つ!概要や業種ごとの活用方法を解説

written byNuxR編集部

「AR」とは拡張現実と呼ばれている技術で、ITの進歩やスマホの普及にともないさまざまなシーンで活用されています。最近ではサービスの向上や業務効率化、新人教育などを目的としたビジネスシーンでの導入も増えてきました。そこで当記事では、ARの種類や概要、活用方法を解説します。

ARの概要

ARは、日常生活を豊かにしてくれる技術として、幅広い業界から注目を集めています。スマホの普及とIT技術の進歩によって、より身近な技術になってきたといえるでしょう。

ARが活用されている代表例としては、世界中でブームとなった「ポケモンGO」も挙げられます。ここではARの概要やVRとの違いについて、詳しくみていきましょう。

ARは現実世界に仮想空間を作る技術

ARとは画像や映像をCG合成させ、現実世界に仮想空間を作る技術です。画像や映像をCG合成させて現実を拡張することから「拡張現実」とも呼ばれます。

実際には存在しないものを現実世界へ拡張することで、実物のように見せることが可能です。「ポケモンGO」の例でいえば、現実の映像にポケモンのグラフィックを重ねることで、実際にポケモンが目の前にいるように見せるといった具合になります。

ARはもともとパソコンで利用されていた技術でした。IT技術の進歩によってスマホでもAR技術が活用できるようになり、多くのアプリがリリースされています。また、ビジネスシーンでの導入も増え、今後さらに身近な技術となることが予想されるでしょう。

VRとの違いは「主体」

VRとはCGで仮想空間を作り上げ、現実に体験しているように見せる技術です。「仮想現実」とも呼ばれます。VRゴーグルのような専用ヘッドセットを着用することで、仮想の世界にあたかもいるような臨場感が得られます。

VRとの違いは「主体」にあります。ARは現実に仮想空間を重ねて空間を拡張していることに対し、VRは仮想空間に入り込む技術であるため、現実世界とは関係しません。つまり、ARは現実世界が主体で、VRは仮想空間が主体となるのです。

ARの種類は大きく分けて3つ

ARの種類は大きく分けて3つ

ARの種類は大きく分けて「ロケーションベースAR」「ビジョンベースAR」「SLAM」の3つに分けられます。

いずれも視覚的に情報を追加する技術ですが、その技術はそれぞれ異なるものであり、理解が曖昧だったり混同したりする方も多いでしょう。それぞれの技法の違いと特徴などについて詳しく解説します。

1.GPSを利用「ロケーションベースAR」

「ロケーションベースAR」はGPSを利用した位置認識型ARです。GPSで取得した位置情報をもとにAR情報(コンテンツ)の表示を行う技術で、ゲームアプリやナビサービスなど、さまざまな場面で活用されています。

ただし、GPSの精度によっては、位置情報を正確に取得できない場合があります。特に屋内の場合は、情報にズレが発生しやすく注意が必要です。

2.画像を認識「ビジョンベースAR」

「ビジョンベースAR」はスマホなどのカメラから取得した画像を認識し、デジタル情報として表示するAR技術です。ビジョンベースARには「マーカー型」「マーカーレス型」の2種類が存在します。

「マーカー型」は安定性や精度が高く、「マーカーレス型」は図形マーカーが不要な点が特徴です。それぞれの特徴と違いについて確認しておきましょう。

QRコードなどを利用「マーカー型」

マーカー型とは、QRコードのようにあらかじめ情報が盛り込まれた図形マーカーを、スマホのカメラを使って認識させることで、情報を表示させる技術です。読み込みスピードが早く、指定した場所に正確な情報を表示させられるというメリットがあります。

ただし、QRコードなどの図形マーカーを事前に準備して、現場に設置しなければいけない点はデメリットだといえるでしょう。

画像や物体を認識「マーカーレス型」

マーカーレス型は空間にある画像や物体を、カメラで認識させて情報を表示させる技術です。マーカー型のようなQRコードの事前準備や設定は不要で、画像や物体であれば基本的にどのようなものでも認識できます。

背景が変化しないという条件下であれば、実在する人物や風景も認識可能です。ただし、マーカー型のような安定性や、精度の高さは期待できないというデメリットがあります。

3.自己位置推定と環境地図作成「SLAM」

「SLAM」は自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術です。SLAMを活用すれば、映像やセンサーで取得するデータを処理しながら、自分の位置を予測して周辺環境の地図が作成できます。

SLAMはマーカーなどを活用しなくても障害物や壁を検知できるため、お掃除ロボットや自動運転の車など、自律型で移動する製品には欠かせない技術といえるでしょう。

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