価格は約200万円。キヤノンのMRHMD『MREAL X1』

written by結木千尋

産業向け新型MRHMD『MREAL X1』登場。価格は本体のみで約200万円、一式で約350万円に。

キヤノンがMR(複合現実)に対応した新型ヘッドマウントディスプレイ『MREAL X1』を発表しました。

『MREAL』は、ビデオシースルー方式(※)により、現実世界とCG映像を違和感なく融合し、あたかも目の前の現実に3DCGが存在しているかのような臨場感を提供するMRシステムです。今回発表された『MREAL X1』は、同シリーズの新型モデル。小型・軽量・高画質化や、表示面積の拡大による検証効率・臨場感の向上といった、さまざまなアップグレードが盛り込まれました。発売日は、2022年6月上旬を予定。メーカー希望小売価格はオープン価格となっていますが、専門家の予測によると、端末のみで約200万円(税別)、利用する際に必要なソフトウェアを含めた一式で約350万(税別)となる見込みです。

開発・発売元のキヤノンは、生産現場や設計開発といった製造業のほか、自動車販売会社の営業現場などへの導入を見込んでいるそう。並行して開発を進める自由視点映像を組み合わせることで、エンターテインメント市場向けの需要も開拓する方針とのことです。同社は2025年までに年間1,000台の販売を目指すとしています。

※ヘッドマウントディスプレイに内蔵されたカメラのCMOSセンサーが捉えた目の前の映像(現実映像)と仮想空間の3D CG(仮想映像)をコンピューターでリアルタイムに合成し、ヘッドマウントディスプレイに表示する方式。

『MREAL X1』製品仕様

製品名:MREAL X1

希望小売価格:オープン価格
発売日:2022年6月上旬

【接続端子】
MREAL Display本体:インターフェイスケーブル専用端子(×1)
インターフェイスボード:インターフェイスケーブル専用端子(×1)、Mini DisplayPort 端子(×1)、PCI Express 2.0(Gen3) ×4 カードエッジ(×1)
インターフェイスボックス:インターフェイスケーブル専用端子(×1)、ACアダプター端子(×1)、PC接続ケーブル端子(×1)

【サイズ】
MREAL Display本体(ヘッドマウントユニット、インターフェイスケーブル含まず):約 158mm(W)×86mm(H)×38mm(D)
MREAL Display本体+ヘッドマウントユニット(最小状態、インターフェイスケーブル含まず):約 186mm(W)×150mm(H)×250mm(D)

【質量】
MREAL Display本体(ヘッドマウントユニット、インターフェイスケーブル含まず):約158g
MREAL Display本体+ヘッドマウントユニット(最小状態、インターフェイスケーブル含まず):約359g

【ケーブル長】
インターフェイスケーブル:約10m(20mは別売アクセサリ)

【表示系】
表示画角:約58°(水平)×60°(垂直)
表示解像度(※1):約3840 × 2160(左右のディスプレイそれぞれに1920×2160の映像を表示)
表示周波数:約120Hz(※2)

【対応眼幅】
適合範囲:約55~78mm
(調整範囲)約57mm~76mm

※1…表示パネルの解像度です。一部映像に利用しない領域があります。
※2…表示パネルの駆動周波数です。尚、撮像カメラとCGのフレームレートは、60fpsです。

■ 記載されたデータは、すべて当社の試験基準によります。
■ 都合により製品の仕様および外観の一部を予告なく変更することがあります。
■ 本製品は、クラスA情報技術装置です。この装置を家庭環境で使用すると電波妨害を引き起こすことがあります。この場合は使用者が適切な対策を講ずるよう要求されることがあります。
■ 本資料の記載内容は、2022年4月現在のものです。

『MREAL X1』の特長

MREAL X1

「MREAL」シリーズ最大表示面積によりユーザビリティーの向上を実現

表示面積の拡大により、視野角が広がることで、大きく頭を動かすことなく視認エリア全体の確認が可能です。一度に視認できる範囲が拡大したことで、検証効率が向上し、対面での作業や自分の足元を確認しながらの作業でも安心して使用できます。

小型・軽量による快適な装着性と高画質を両立

質量約359g(ヘッドマウントユニット含む、ディスプレイ部のみの質量は約158g)の小型・軽量設計と、人間工学に基づき設計されたヘッドマウントユニットにより、使用時の負担を軽減し、快適な装着感を提供します。また、キヤノン独自のディスプレイパネルと長年培ってきた光学技術を駆使したレンズを搭載することで、小型・軽量と高画質を両立しています。

ポータブルなシステムにより多様なビジネスの現場での利用が可能

モバイルワークステーション(※3)への対応により、システム全体の小型・軽量を実現し、さまざまな場所に持ち運んでの利用が可能です。また、空間特徴位置合わせ技術により、屋内/屋外(※4)問わず高精度な位置合わせを実現します。さらに、遠隔地間を接続し3D CGを共有することができるため、人の移動に制限がある状況下での業務支援にも貢献します。

※3 高い処理能力を備え、複雑で高度な処理を安定して行うノート型コンピューター。
※4 防じん・防滴は未対応。使用場所や用途に制約がある場合があります。

MREAL X1

CG映像を融合した例(写真がCG)

MREAL X1

製品ページ
参照元プレスリリースページ

written by

結木千尋

ユウキチヒロ。フリーライター・インタビュアー。 関心事はサブカルチャー(音楽・映画など)。 AORとミニシアター系の邦画が大好物。 グリーンカレーの海で溺れたい。