世界的に大きな盛り上がりを見せるNFT市場では、イラストや映像、音楽といったNFTアート作品が次々と日本人の手によりリリースされています。
一方で、どんな人がNFTアートを制作しているか、わからない方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では、NFTアート界で活躍中、活躍が期待される日本人を7人紹介します。
NFTアートとは
NFTとは、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)技術を活用したデジタルアート作品のことです。
イーサリアムブロックチェーンを基盤としたNFT技術が登場する以前のデジタルアートは、容易に複製や改ざんが可能であり、資産価値を付与することも困難でした。
しかし、NFTが2017年に登場したのを機に、デジタルアートは、絵画や彫刻など伝統的な芸術作品と同じように、唯一無二性を保持することが可能になったのです。
NFTアートは、唯一性のほかに、NFTの標準規格「ERC721」という共通の規格で発行されていることから、相互運用性が担保されているなどの特徴があります。
また、NFTアートは、「プログラマビリティ」と呼ばれる機能の使用により、二次流通時に収益の一部がクリエイターに還元される点も大きな特徴といえるでしょう。
NFTアート界で活躍中、活躍が期待される日本人7選
NFTアート界で活躍中、活躍が期待される日本人は多数います。本記事では、次の7人を厳選しました。
- 坂本龍一
- 小室哲哉
- 村上隆
- せきぐちあいみ
- 武田双雲
- みうらドーナツ
- ヒトこもる
ここからは、選んだ7人の概要やNFT制作活動の内容について解説します。
坂本龍一
日本を代表する音楽家の坂本龍一氏は、NFTの技術を音楽に適用させたNFT音楽をリリースするなど、NFTクリエイターとしても活動しています。
代表的な作品は、NFT化した代表曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」の音楽メロディーです。
同曲はレコーディング音源を右手音源595音を1音ずつデジタル上に分割したもの。さらに、96小節から構成される595音のNFTには、それぞれの音が位置する小節の楽譜画像もひもづけられました。
2021年12月に販売を開始した同曲はNFTマーケットプレイス「Adam by GMO」で盛んに取引され、総取引額は2022年11月17日までに7,816万5,950円に上っています。
小室哲哉
日本屈指の音楽家である小室哲哉氏は2021年12月、通常の音楽活動の傍ら、楽曲NFT「Internet for Everyone (Mix & Stems)」をNFTマーケットプレイス「Adam by GMO」でリリースしました。
同曲は、2015年にGMOインターネットグループのグループソングとして書き下ろしたオーケストラサウンドです。6トラックに分けたオリジナルStemデータとして、1トラック3,000円のオークション形式で販売し、2022年11月17日までに1,017万2,212円を売り上げました。
小室氏は2022年6月、イラストレーターの寺田てら氏などとコラボレーションし制作したNFT作品を、NFTプラットフォームのOVOで販売するなど、その後も精力的に活動を続けています。
村上隆
現代芸術家、ポップアーティストの村上隆氏は、これまでに数々のNFTアートを手掛けています。
代表作は、村上氏の代表的なモチーフである「お花」を題材にした「Murakami.Flowers」です。購入時には、正体がわからない「種(Seed)」状態で販売され、話題を集めました。
村上氏は2022年4月、高級腕時計ブランド「ウブロ」と連携したNFT作品をリリースするなど、精力的な活動を続けています。
せきぐちあいみ
せきぐちあいみ氏は、VR(バーチャルリアリティ)アーティストとして活動する専業のNFTクリエイターです。
せきぐち氏の創作スタイルは、ヘッドマウントディスプレイ(3Dゴーグル)を装着した状態で、仮想空間の中で立体的に絵をどんどん描いていくものです。こうしたスタイルで制作した絵画は、通常の絵画などと違い、奥行きがあり、360°自由な角度から作品を楽しめます。
和をモチーフにしたせきぐち氏の作品は人気が高く、「Alternate dimension 幻想絢爛」は約1,300万円で落札されました。
武田双雲
書道家の武田双雲氏は2021年6月、NFT作品となる「SCAM退散」「GOX平癒」をNFTマーケットプレイス「OpenSea」でリリースし、NFTアート界へ参入を果たしました。
公式ホームページによると、2作品のうち、「SCAM退散」は、ブロックチェーン業界で横行する、SCAMと呼ばれる詐欺行為がなくなってほしいとの思いをこめて制作したとのことです。
その後、武田氏より目立ったNFT作品がリリースされていませんが、今後も革新的な作品のリリースに期待がかかります。
みうらドーナツ
イラストレーターのみうらドーナツ氏は、ドーナツをモチーフにしたNFT作品をリリースしており、今後の活躍が期待されるNFTクリエイターです。
代表作は、ドーナツ部長の日常を描くコレクション「Wearable DONUTS」です。
同コレクションは、自分の体から離れないドーナツを労わりながら、ドーナツがハマる前の生活と変わらない生活を送ろうとする部長の様子を、毎日違った服装を楽しむファッショナブルな部長として描いています。
このほか、みうらドーナツ氏は、Spatialと呼ばれるメタバース空間で建築物を保有しており、展示したギャラリーを「ドーナツ美術館」と銘打って公開しています。
ヒトこもる
イラストレーターのヒトこもる氏は、繊細で美しい、はかなさを感じさせる女性キャラクターのNFTコレクションを展開しており、今後の活躍が期待されるクリエイターです。
最近では、NFTマーケットプレイス「Foundation」でNFT作品を出品しており、高い人気により高値をつけて落札されています。
まとめ
日本のNFT界は、ビジネスへの活用という点で、規模で海外に劣るものの、優れたアーティストが存在しているのが特徴です。
今後も絵画や映像、音楽といった多彩な芸術分野で、NFTクリエイターの活躍が期待されます。