NFT音楽を取引できるマーケットプレイス
この章ではNFT音楽を取引できるマーケットプレイスを5つ紹介いたします。
NFTマーケットプレイスごとに手軽に初心者でも出品できる場もあれば、審査制の場もあるので特徴を押えておきましょう。
①OpenSea
(引用画像:OpenSea)
世界最大級のNFTマーケットプレイス「OpenSea」はデジタルアートから写真、動画など幅広いコンテンツを扱っていて、初心者でも楽曲をNFTとして販売することが可能です。
世界最大のNFTマーケットプレイスのため、NFTを始める方は大体名前を知っており知名度は抜群です。
しかし2022年11月7日にロイヤリティに関する重大な発表を行いました。
①ロイヤリティ支払いを強制するためのコードをgithubで公開
②このコードにはX2Y2やBlurなどロイヤリティをスキップするマーケットプレイスでの移転の禁止等が含まれている
③11月9日以降に新規発行されるコレクションは、このコードを含まない場合はロイヤリティを設定できなくなる
今後新規でOpenSeaにNFT音楽を発行する場合、独自で上記コードを加える必要があります。このコードの組み込みは専門のエンジニアでないと対応が難しいでしょう。
アーティストが手軽に音楽NFTを出品するNFTマーケットプレイスとして「OpenSea」はあまりおすすめできません。
▼OpenSea 公式サイト
②Rarible
(引用画像:Rarible)
「Rarible」は2020年にできたNFTの発行・売買ができるマーケットプレイスです。
「Rarible」の特徴として独自トークン「RARI」を発行しており、サービス運営をガバナンスで決定できる点です。「RARI」の保有量によって、ガバナンスへの参加が可能になります。
「Rarible」の機能として、オークションや二次販売時のロイヤリティの設定、メッセンジャー、ユーザーごとに切り替わるフィードなどを提供しており、アーティストがより使いやすい環境を整えています。
特にロイヤリティの設定では、二次販売時のロイヤリティを自由に決定できるため、アーティストにとってメリットがあります。
また独自トークン「RARI」を手数料としても利用する事ができます。
アーティストにとって使いやすいサイト設計になっているため、比較的簡単に参入しやすいNFTマーケットプレイスです。
▼Rarible 公式サイト
③The NFT Records
(引用画像:The NFT Records)
「The NFT Records」は株式会社クレイオが提供するNFT音楽に特化したNFTマーケットプレイスです。
The NFT Recordsの大きな特徴として、音楽パッケージを適切に流通させる手法「NFT Music Metadata Standard」を開発している点です。
NFTのMetadataは、画像の説明文や属性情報をまとめたデータであり、このデータがブロックチェーンに刻まれることによってデータの唯一性を担保しています。現状「OpenSea」のMetadata Standardは業界のデファクトスタンダードと言えます。
※デファクトスタンダード(De Facto Standard)
事実上の標準を意味する言葉。市場における競合他社との競争によって業界標準として認められるようになった規格を指します。
「The NFT Records」では「NFT Music Metadata Standard」をつくり、
- 音楽ファイルの暗号化・復号化
- 複数ファイルソースの読み込み
- Metadata上に著作権者を明記
という3つの要素を仕組みに取り入れました。
上記3つの要素を取り入れることで、複数のファイルを持たせられ特典付きNFTやアルバムなどの販売が可能になり、各楽曲には著作権を明示することで二次流通時に著作権(作詞・作曲・出版)の権利を保持することができます。
「The NFT Records」は、音楽を世界へ簡単に販売するNFTマーケットプレイスとして期待されます。
▼「NFT Music Metadata Standard」について、詳細が知りたい方はこちらを参考にしてください。
https://jp.thenftrecords.com/feature/nftr_ouraims
▼The NFT Records 公式サイト
④.mura(ドットミューラ)
(引用画像:.mura)
「.mura」は、音楽×アートに特化したNFTマーケットプレイスです。
上記で紹介したThe NFT Recordsと違う点は、音源とアート(イラストや写真など)のセットをNFT作品として販売している点です。
「.mura」では購入者の身元確認に力を入れており、パスポートなどによるIDチェックを行っています。この設計により、アーティストが安心して自分の作品を出品できるのです。
またほかのNFTマーケットプレイスと異なり、「.mura」は音源×アートでNFTとして販売しているため作品の権利関係が気になる方もいるでしょう。
「.mura」では、「音源」の権利はミュージシャンが、「アートワーク」の権利はアートワーク・クリエイターが有します。
▼.mura 公式サイト
⑤Adam by GMO
(引用画像:Adam by GMO)
「Adam by GMO」はGMOグループが運営しているNFTマーケットプレイスです。
音楽アーティストの小室哲哉氏も「Adam by GMO」でNFTを出品されています。
大きな特徴としてイーサリアムだけでなく、日本円決済(※)も対応しています。
(※1000万円を超える取引など条件によって、日本円決済ができない場合があります)
また「Adam by GMO」は誰でも出品できるNFTマーケットプレイスではありません。
一次出品に関してはAdam by GMO認定代理店のみの取り扱いとなっており、個人クリエイターや事業者は審査に通った作品が販売されます。
▼Adam by GMO 公式サイト
NFT音楽のメリット まとめ
この記事ではNFT音楽の特徴を解説し、現在NFT音楽を販売しているアーティストを紹介し、NFT音楽を取引できるマーケットプレイスをまとめました。
NFT音楽は新たな音楽の販路であり、ファンとの新しいつながり方です。
販売したNFT音楽の収益は確実にクリエイターのもとへ届くため、ファンは安心して購入応援をすることができます。
またNFT音楽の使い方が進化すれば、転売防止や海賊版対策などの使い方もできるでしょう。
NFT音楽の分野はまだ未成熟です。みんなで使い議論することで、さらにアーティストやファンにとっていい応援方法になるでしょう。