セルフGOXとは?代表的な例と対策を知って、所持する仮想通貨を守ろう!

written bycanちゃん

仮想通貨のメリットの1つとして、ブロックチェーン技術で素早く資金を送受信できることが挙げられます。その際気をつけたいのが「送金ミス」です。仮想通貨を間違ったアドレスへ送金をすると、最悪の場合紛失するか、引き出し不可能な状態になってしまいます。

自分の不注意で所持する仮想通貨を紛失、または引き出せなくしてしまうことを「セルフGOX」と呼びます。

2014年2月に当時最大級の仮想通貨取引所だったマウントゴックス社が、ハッキング被害を受けて大量のビットコインおよび資金の消失をして経営破綻しました。この出来事からマウントゴックスになぞらえた造語で「セルフGOX」と呼ばれるようになりました。

GOXとセルフGOX

GOXとは

預け先の仮想通貨取引所などがハッキングされて、仮想通貨資産を失うこと、引き出せなくなること。

代表的な例

2018年1月に発生したコインチェック事件があります。
ハッキングを受けて保有していたほぼ全てのNEM(ネム)(5億2,300万XEM、検知時のレート換算で約580億円)を紛失しました。

セルフGOXとは

自分の過失で仮想通貨資産を失うこと、引き出せなくなること。

代表的な例

【case1】送信先のアドレスを間違える「送金ミス」

銀行を通じた法定通貨の送金なら、送金ミスが起きたとしても銀行に連絡すれば組み戻しが可能でした。しかし中央管理者が存在しない、ブロックチェーン技術での送金処理では、一度ブロックチェーンに処理が記録されれば、改ざん不可能となります。
仮想通貨取引所であっても処理を変更する権限はなく、基本的には組み戻しのサポートは期待できないのが現状です。

【対応策】

  • アドレスはコピー&ペーストもしくは、送信先のQRコードを読み込む
  • 入力後、送金前にアドレスが正しいか再チェックする
  • 初めてのアドレスに送金する時は、少ない金額でテスト送金する
    ※送金手数料がかかる
  • 「ラベル」登録機能がある取引所の場合は活用する
    ※ラベルとは、自身で送金先アドレスを管理するため、名前をつけられる項目のこと
  • 誤送金先のアドレスに所有者がいる場合は、所有者への連絡・交渉を通じて返金に対応してもらえれば、通貨を取り戻すことも可能かもしれないので焦らず対応してみる

【case2】別のネットワークへの送金ミス

通常、トークンを別のネットワークへ送金を試みるとエラーが発生し実行不可となります。例外的に、Ethereum、Ethereum Classic、Polygonなどアドレス形式が類似するネットワークはシステムがエラーを検知できず、別のネットワークでも送金にできてしまうことがあり、トークンが消滅してしまいます。取引所やウォレットのサポートに応じてもらえない場合が多いので、より注意が必要です。

【対応策】

  • アドレスはコピー&ペーストもしくは、送信先のQRコードを読み込む
  • 入力後、送金前にアドレスが正しいか再チェックする
  • 初めてのアドレスに送金する時は、少ない金額でテスト送金する
    ※送金手数料がかかる
  • 「ラベル」登録機能がある取引所の場合は活用する
    ※ラベルとは、自身で送金先アドレスを管理するため、名前をつけられる項目のこと
セルフgox

【case3】仮想通貨ウォレットのパスワードやシードフレーズ、秘密鍵の盗難、紛失

デバイスをアンイストールしたら、アカウント復元ができなくなった。手書きメモを無くした、などによって紛失するリスクがあります。またオンライン上にメモを置いておくと盗難などのリスクが高まります。

【対応策】

  • 秘密鍵、リカバリーフレーズの盗難、紛失に備え複数バックアップとして手書きメモをとる
  • メモ用紙の劣化を防ぐため、ラミネート加工や日焼け防止など工夫する
  • クラウドや自分のパソコンへの保存は盗難や紛失のリスクが高まるため行わない

【case4】フィッシング詐欺による秘密鍵の漏洩

トークンのエアドロップに関するメールに記載されたリンクを開いたところ、フィッシングサイトに誘導された。秘密鍵を入力して、ログインしたらウォレットの中身を全て送金されてしまった。

【対応策】

  • 怪しいメールのリンクを開かない
  • フィッシングサイトを検出するアドオンをブラウザに導入する
  • Web上にクライアントがあるタイプのウォレット(ホットウォレット)で、多額の仮想通貨を利用しない
セルフgox2

【case5】ハードウォレットの紛失や故障

ハードウェアウォレットは、仮想通貨をインターネット回線から切り離されている状態でも保管できるウォレットのことです。コールドウォレットで秘密キーを自分で管理でき、複数の仮想通貨の管理がしやすいのが特徴です。最も盗難にあう確率が低いといわれています。
しかし、紛失や故障に注意をしなければなりません。

【対応策】

  • 紛失や故障に注意し、自分でしっかりと管理する

【case6】2段階認証用スマホ紛失、故障、機種変更

多くの仮想通貨取引所では2段階認証を導入しています。
スマホアプリから一定時間のみ有効な認証コードが発行されるので、ログイン時にIDとパスワードに加え、認証コードも入力します。セキュリティ性能は向上しますが、使用していたスマホを紛失、故障してしまうと操作できなくなります。
また2段階認証の設定を引き継ぐ前にスマホを機種変更してしまうと、操作ができなくなります。

【対応策】

  • スマホ紛失、故障に気をつけて自分で管理する
  • スマホを機種変更する前に2段階認証の設定を引き継ぐ
  • 仮想通貨取引所に連絡し、本人確認を行うことによって解除してもらう

自己管理だけでは追い付けないハッキングなどにも気をつけて、GOX、セルフGOXがないようにしたいものです。資産を失うリスクを減らすためにサポートが充実している、国内取引所を選択するのも一つの手ですね。徹底した自己管理と対策方法を事前に知って、万が一に備えましょう!

 

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canちゃん

なんでもツクリタガリな主にUIデザイナー。副業ライター。 洋服、グラフィック、立体、映像など、なんでもつくってみたくなる。openseaで過去のグラフィック作品をNFTにして出品してみた。(まだよくわかっていない)

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