ARを用いた面白い演出事例を5つ紹介
AR演出はエンターテインメントの世界だけでなく、ビジネスなどあらゆるシーンで役立ちます。感染症対策を目的としたオンラインコミュニケーションにも活用できるため、アフターコロナの世界ではさらに活用シーンが増えていくでしょう。
ここからは、AR演出の実際の活用事例を紹介します。
事例1.ARライブ
ARライブとは、アーティストの演奏やダンサーなどの動きをリアルタイムにARに反映して、配信映像と連動させるライブ配信のことです。
人の動きにシンクロして光などの映像効果を表示できるため、ARグラスやスマホなどを通してライブを視聴することで、ダンスや演奏にAR映像をシンクロさせる新しい演出が可能になります。3Dモデルを現実の空間に出現させ、音楽やパフォーマンスと連動した躍動感あふれる演出も可能です。
KDDI株式会社は遠隔操作でAR演出したライブを配信できる「リモート・ARライブ配信システム」を提供。リアルタイムなAR演出により、会場にいなくても迫力あるライブステージを楽しめるうえに、遠隔でのカメラ操作が可能なため、ライブ関係者の安全に配慮した設計になっています。大型施設でライブを開催するとなると、数千万〜数億円のコストが発生しますが、オンラインのARライブであれば数百万円のコスト圧縮が可能でしょう。
ニューノーマル時代のライブハウスをテクノロジーで支援、遠隔でAR演出可能なライブ配信システムを提供/KDDI
事例2.AR企画展
展示品にARを仕込むことにより、ユーザーがスマホでかざすことで展示品が動き出したり映像が飛び出したりするため、企画展を盛り上げる演出ができます。
例えば、ホラー映画「呪怨」などの作品で知られる映画監督・清水崇の企画展において、作品に登場する怨霊がARで現実世界に出現する演出をしたところ、SNSなどで大きな反響を呼びました。ARを使ったユニークな演出方法は、今後新しい展示スタイルとして定着していくかもしれません。
事例3.動く本
絵本にARを設定してスマホをかざすと、本の表紙や挿絵が動いて物語が進む演出や、シーンに応じた音が流れる演出、絵本のキャラクターが飛び出してくるような演出が可能になります。動く本なら没入感を高めて、ユーザーに絵本の世界観を存分に楽しんでもらえるでしょう。
このほかにも卒業アルバムにARを設定してスマホでかざすと、動画コンテンツが再生される「動く卒業アルバム」が登場。担任の先生や顧問からのメッセージ再生や、運動会の動画など、従来の卒業アルバムではできなかった演出ができるため、たくさんの思い出を残すことができます。
事例4.タッチレスディスプレイ
大日本印刷はディスプレイに触れることなくカーソル操作できる「タッチレスAR透明浮遊ディスプレイ」を提供。人の動きを感知するモーションセンサーと、AR効果を演出する透明スクリーンを組み合わせたもので、ディスプレイに人が近づくとモーションセンサーが検知してカーソルが現れ、透明スクリーン上でタッチレス操作ができます。
空中に映像が浮かび上がるようなAR効果を演出できるタッチレスディスプレイは、感染症対策においても効果的です。今後は自動販売機をはじめ、駅の券売機やホテルの受付など、さまざまな場面での活用が期待されています。
手をかざすだけで操作できるタッチレスAR透明浮遊ディスプレイを提供/DNP
事例5.非接触型のコミュニケーション
AR技術を使うことで、スムーズな遠隔コミュニケーションが実現できます。ドコモではARを用いたコミュニケーションツールを提供。ARで再現されたCG映像を使用すれば、遠隔にいる複数人と非接触型のコミュニケーションができるため、感染対策やテレワークに役立つでしょう。
場所や時間問わず、全国どこからでも接続できる手軽さも魅力です。対話型なので、参加型の授業や博物館や美術館での展示体験など、あらゆるシーンに活用できます。
ARなら複雑な構造や動きをCGで再現できるため、生物の授業などに活用すれば、人体の構造や筋肉の動きを紙の教材よりも正確に理解できるでしょう。
AR演出で表現の幅を広げよう
AR演出は現実世界にバーチャル映像を合成する新しい演出方法です。リアルタイムに迫力のある自由な演出ができるため、今までにはなかった特別なコンテンツをユーザーに提供できます。ライブや本をはじめ、ビジネスシーンでのオンラインコミュニケーションなど、AR演出の活用シーンは無限大です。AR技術を様々なシーンで活用してみましょう。