メタバースのプラットフォームとは?おすすめプラットフォーム6選を紹介

written by小村 海

アバターを介して人との交流やイベントが楽しめる三次元の仮想空間「メタバース」。日本発のプラットフォームや、世界的な人気を集めるプラットフォームなど、さまざまなプラットフォームが存在します。

種類が幅広い上、数が多いため、どれを選んでよいかわからない人も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、メタバースのプラットフォームの定義について説明した後、おすすめのメタバースプラットフォームを6つ紹介します。

メタバースのプラットフォームとは

メタバースのプラットフォームとは、個人や開発者がアカウントを作成し、メタバースを利用できるプラットフォームのことです。

独自にメタバースを開発した企業が共用のプラットフォームとして提供しており、誰でも利用できます。

プラットフォームと一口に言っても、それぞれのプラットフォームが持つ機能は画一的ではありません。ゲームからファッション、ヘルスケアまで、特化している分野はさまざまであり、ユーザーは、自分の目的に合ったプラットフォームを選ぶ必要があります。

おすすめのメタバースのプラットフォーム6選

おすすめのメタバースのプラットフォームは次の6つです。

  • Decentraland
  • Cluster
  • The Sandbox
  • VRChat
  • Roblox
  • Axie Infinity

ここからは、それぞれのプラットフォームの特徴について解説します。

Decentraland(ディセントラランド)

Decentralandは、イーサリアムブロックチェーン上にあり、プレイヤーが交流やゲームを楽しめるメタバースプラットフォームです。

Decentralandは、約9万区画のLAND(ランド)と呼ばれる仮想空間上の土地で構成されており、ユーザーは、土地を所有・賃貸した上で、土地の上に住宅やバー、庭園、公園などを設計できます。

また、ユーザーは、メタバース内で仮想のコンサートやスポーツゲームへの参加、コミュニティの形成などが行えます。

Decentralandで可能なのは、消費活動だけではありません。独自トークンの「MANA(マナ)」を使い、メタバース内の土地や商品などの購入、作成したアイテムやNFTなどを販売でき、ビジネス展開も可能です。

cluster(クラスター)

clusterは、ユーザーの交流をメインとした国産のメタバースプラットフォームです。ユーザーは、プラットフォーム内で公開されているワールドを自由に散策したり、イベントや音楽ライブに参加したりできます。

clusterは、渋谷や原宿、丸の内といった東京都心の街が忠実に再現されているのが特徴です。それらの街並みの中にバーチャル観光地やバーチャル展覧会、おすすめのカフェなどが公開されており、まるで現地にいるような感覚を味わえます。

また、clusterは、VRヘッドセットだけでなく、デスクトップPCやスマートフォンなど、マルチデバイスにアクセスできるのも特徴です。

経済活動では、ユーザーはメタバース内で独自のクラスターコインを使用してアイテムを購入し、そのアイテムをほかのプレイヤーに贈ることもできます。

これらの機能のほか、日本語UI(ユーザーインターフェース)に対応していることから、clusterは日本人にとって幅広く楽しめるプラットフォームといえるでしょう。

The Sandbox(ザ・サンドボックス)

The Sandboxは、ユーザーがメタバース上に設置されたゲームの中で好きなものを選び、自由に遊びや経済活動を行えるプラットフォームです。人気ゲーム「Minecraft(マインクラフト)」を連想させるボクセルアート調のビジュアルが特徴的です。

ゲームの内容もマインクラフトに似ており、ユーザーはメタバース空間上の土地(LAND)で建物を建築したり、NFTであるゲームやアイテムを作成したりすることが可能です。

ただし、マインクラフトと明確に違うのは、メタバース上で経済活動をできる点です。ユーザーは作成したゲームやアイテムを売買したり、ゲーム内の不動産を貸し出して不動産収入を得たりすることもでき、現実と変わりない経済活動を行えます。

有名ブランド「GUCCI」など有名企業がThe Sand boxの土地を購入していることから、企業活動の拠点としても注目度が高まっています。

関連記事:The Sandbox(ザ・サンドボックス)とは?収益化の種類や活用事例をご紹介

関連記事:【The Sandbox事例8選】仮想不動産で加速する土地開発

VRChat(VRチャット)

VRChatは、その名の通り、VRゴーグルとコントローラーを用いて楽しむソーシャルVRプラットフォームです。

VRChatはほかのメタバースプラットフォームと比べて際立って自由度が高いのが特徴です。例えば、ユーザーはゲームエンジン「Unity」で制作したワールドやアバターを自由にアップロードできるほか、ライブからバーチャルマーケットまで、幅広いコンテンツを体験できます。

これらの自由度の高さを生かし、企業が定期的にイベントを開催しており、2021年にサンリオが「SANRIO Virtual Festival in Sanrio Puroland」、日産自動車がバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」をそれぞれ開催したことが注目を集めました。

VRChatはゲーム内通貨が発行されていないものの、円やドルなどの法定通貨を使用して経済活動を行えるのも特徴です。法定通貨は仮想通貨よりもアイテムの現在価値を計算しやすいとされます。

この点、VRChatは、ユーザー目線に立ったプラットフォームともいえるでしょう。

関連記事:注目のソーシャルVRサービス「VRChat」とは?法人の活用事例も紹介

関連記事:2022年のVRChatは何が起こっていたの?話題になった出来事を振り返る

Roblox(ロブロックス)

Robloxは、レゴ風のアバターが特徴のメタバースゲームです。

デイリーアクティブユーザーは180カ国で約5,000万人、2021年10月の月間ユーザー数(MAU)は2億2,600万人に上るなど、10代〜20代前半の若年層を中心に絶大な人気を得ています。

専用ゲームエンジン「Roblox Studio」でユーザーが制作したゲームが多数公開されており、自由に遊べます。また、ユーザー自身がゲームを制作することも可能です。

Roblox内部では、大手アパレルのGAPや、ファッションブランドのグッチ、大手スポーツ用品メーカーのナイキなど有名企業が公式ワールドを展開しており、ユーザーは、ワールド内のミニゲームやアイテム購入を通じて各ブランドの世界観を味わえます。

参考記事:Robloxとは?教育分野に活用できるゲーミングプラットフォーム

Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)

Axie Infinityは、ポケモンやたまごっちなど日本の人気ビデオゲームに触発され、開発されたベトナム発のNFTゲームです。

ゲーム内でAxie(アクシー)と呼ばれるモンスターを戦わせる対戦型ゲームとなっており、アドベンチャーモードやデイリークエストをプレイしてSLP(Smooth Love Potion)という通貨を獲得できます。

SLPはビットコインなど他の仮想通貨と交換できる上、仮想通貨は現金化が可能なため、Axie Infinityは、ユーザーが遊びながらお金を稼げることを意味します。

また、Axie Infinityでは、所有するAxie2体を交配させ、新しいAxieを誕生させた上で、誕生したAxieを公式マーケットプレイスなどで販売することが可能です。

交配によって、新しいAxieを誕生させる「ブリード」は、SLPやガバナンストークンのAXSが必要ですが、中には高値で取引されるAxieもいます。

このように、Axie Infinityは、多様な手段でPlay to Earn(ゲームで遊んで稼ぐ)ができるのが魅力だといえるでしょう。

関連記事:NFTゲーム【Axie Infinity】の始め方や特徴、稼ぎ方を解説

メタバースを始める手順

ここまでの解説を読んで、メタバースプラットフォームで遊んでみたくなったことでしょう。

そこで、最後にメタバースを始める手順について解説します。メタバースを始める手順は次の通りです。

  1. メタバースの開始に必要な機材を集める
  2. 国内仮想通貨取引所を開設する
  3. 仮想通貨用のウォレットを登録する
  4. メタバースプラットフォームに登録する

ここからは、それぞれの手順について解説するため、参考にしてください。

メタバースの開始に必要な機材を集める

まずメタバースの開始に必要な機材を集めてください。メタバースを始める際に必要な機材は次の2つです。

  • VRゴーグル
  • VR対応パソコン

最低限これら2つがあれば、メタバースを開始できるでしょう。

国内仮想通貨取引所を開設する

続いて、国内仮想通貨取引所でアカウントを開設しましょう。

コインチェックやDMM Bitcoin、bitFlyerなどは取引ユーザーが多く、取扱銘柄の種類も多いことから、初心者にもおすすめです。

仮想通貨用のウォレットを登録する

メタバース内で所持する通貨を利用するため、仮想通貨用のウォレットを登録しましょう。

はじめて作成する場合は、さまざまなメタバースプラットフォームに対応している「MetaMask」がおすすめです。

MetaMaskを登録する際は、Googleウェブストアで検索し、GoogleChromeの拡張機能として追加するとよいでしょう。メタバースはスマートフォンアプリでも利用できるタイプもありますが、パソコンからメタバースにアクセスした方が便利なためです。

メタバースプラットフォームに登録する

最後に利用したいメタバースプラットフォームを選んで登録してください。

まず目的のメタバースが提供されているプラットフォームにアクセスし、ウォレット選択で、ここまでに準備した「MetaMask」のアドレスを接続します。

多くのメタバースプラットフォームでは、MetaMaskと接続すれば、アカウント作成が可能です。そのままプロフィールやメールアドレスなど基本情報を入力すると、アカウント作成が完了します。

自分に合ったプラットフォームを選び、メタバースの世界を堪能しよう

メタバースプラットフォームは日々進化しており、どんどんと新しいサービスや機能が誕生しています。

最初は目利きが大変かもしれません。それでも、プラットフォームによって特徴があり、次第に目的や使用用途に合わせて自分に合ったプラットフォームを選べるようになります。

ぜひ本記事を入口とし、自分に合ったメタバースプラットフォーム選びの一助にしてください。

written by

小村 海

おむら・わたる。「難しいことを簡単に」をキャッチコピーに活動するフリーライター。元地方紙、雑誌記者。クライアントや物事の良い側面を翻訳し伝えることを活動指針とし、主にIT記事を作成している。趣味は野球で、競技歴は12年を超える。一方で、本好きでもあり、新刊には目が無い。

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