各分野におけるVRの応用事例
それでは、具体的にVRが応用されている事例10選をご紹介します。
観光業
まずは、観光業で使われるVR技術の事例についてです。観光では、仮想的に観光地を体験できるだけでなく、これまでは不可能だったような新しい視点での試合観戦などが可能となります。
マルチアングル試合観戦
福岡PayPayドームにおいて、5Gを活用したマルチアングルVR試合観戦の実証実験が行われました。従来の野球観戦では、座った席からの視点でしか試合を観戦できませんでしたが、この技術では通常は入れないような特別な場所に設置したカメラの映像から試合を観戦できます。
観戦者同士がアバターとしてコミュニケーションすることもでき、離れた場所にいる家族や友人がVR空間に集まって一緒に試合を楽しむようなことも将来的には可能になるかもしれません。
世界VR旅行
https://www.youtube.com/watch?v=RJoqp3bIE0Q
キャリーバッグなどの旅行用カバンメーカーであるエースは、厳選した世界の観光地をVRで楽しめる「世界VR旅行」を提供しています。市販のVRゴーグルを購入し、YouTubeなどの動画を観るだけと、使い方も非常に簡単です。
新型コロナウイルスの影響で、国内旅行に行くことすらままならない昨今においては、ありがたいサービスといえるのではないでしょうか。
教育
教育分野でも、VRは活躍中です。キャンパスのなかをVRで紹介するサービスや、VRを使って教育教材を仮想的に体感できるサービスなどが実用化されています。
オープンキャンパス360
「オープンキャンパス360」は、VRを使って自宅から気軽に学校見学が可能となるサービスです。志望している学校はぜひ見学したいところですが、複数の学校や遠方の学校に行くのは大変ですし、最近は新型コロナウイルスの影響で外出すら制限されています。
そんなときでもオープンキャンパス360を使えば、どこからでも仮想的に学校見学が可能です。動画の埋め込みや問い合わせボタンの設置などVRコンテンツならではの機能を付けることも可能で、今まで以上に学校の魅力をより多く体感するのに役立ちそうですね。
オープンキャンパス360(オープンキャンパスサンロクマル)とは(株式会社おもてなしドットコム)
Google Expeditions
「Google Expeditions」は、Googleが提供する教育向けVR/ARサービスです。学校として実際に行くことは難しいような場所でも、バーチャルに探索することが可能になります。
Expeditionsアプリにはエベレスト山やルーブル美術館など、900以上のVR探索ツアーが用意されているとのことで、生徒を飽きさせないでしょう。オリジナルのバーチャル探索ツアーを作成することもでき、より効果的な教育ができそうです。
Expeditions で授業にリアルな体験を(Google for Education)
医療
医療分野は、手術の成功率を上げるためのトレーニングやリハビリにVRが使われ、医療の質の向上に役立っています。
外科トレーニング用VR
従来、手術のトレーニングは実際の手術や解剖体を使ってしか行えませんでした。しかしながら「FundamentalVR」を活用すれば、仮想的に手術のトレーニングが可能となり、手術の成功率を向上することが期待されています。
この手術トレーニング用VRでは、視覚だけでなく触覚技術も活用することで、実際の手術をよりリアルに再現できます。コスト面でもVR機材の分しかかからないため、コスト削減にもつながるでしょう。
FundamentalVR: Working at the Intersection of Immersive Tech(FundamentalVR)
リハビリVR
事故などで大けがをした患者の多くはトラウマを抱え「以前と同じ身体機能を取り戻すのは無理なのでは……」と考えることが多いそうです。
通常は理学療法士がこのような考えを取り除くために多くの時間を費やすそうですが、「NEURO REHAB VR」というリハビリ用VRを使えば、仮想空間上で患者がショッピングや料理などをこなし、日常の感覚を取り戻せます。これにより、患者の心理的障壁を取り除くまでの時間が大幅に短縮されるそうです。
NEURO REHAB VR – Virtual Reality for Physical Therapy (NEURO REHAB VR)