技術の発展にともない、広告の在り方もさまざまな形に変化しています。中でも、近年注目されているものがARを使った広告です。ダイナミックで印象的な表現ができることから、多くの企業で使用されるようになっています。
本記事ではAR広告を活用するメリットや企業の成功事例などを紹介します。
AR広告の種類は2つ
AR広告は「マーカー型」と「GPS型」の大きく2種類に分けられます。現在はマーカー型が主流ですが、今後は超高速で通信できる5Gの普及とともに、GPS型の人気が高まっていくかもしれません。広告の用途や使う場所に合わせて、2つの種類をうまく使い分けてみましょう。
ここでは、AR広告の種類と特徴について解説します。
1.雑誌などに広告を表示する「マーカー型」
マーカー型はARマーカーとして事前に登録しておいた画像や動画などをスマホカメラで読み込み、ARコンテンツを画面上に表示します。あらゆるものをAR広告にできる自由度の高さが魅力で、パンフレットやカタログ、写真など多様なシーンに活用されています。
ARマーカーと似た技術にQRコードがありますが、QRコードにはURLが登録されているだけなので、文字情報しか扱うことができません。一方、 ARマーカーであれば、画像や3DCG、音声なども扱えます。
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2.指定場所で広告を表示する「GPS型」
GPS型はスマホなどの端末の位置情報をGPSで取得し、付近に設定されたARコンテンツを表示します。設定された場所で端末をかざすと、ARコンテンツが出現する仕組みです。
端末のGPS機能を利用してAR広告を表示するため、マーカー画像を事前に制作する必要はありません。現在は道案内サービスや観光、位置情報と連動したゲームアプリなどに利用されています。
屋外での使用に適していますが、膨大なデータ通信を高速で行う必要があるため、GPS型はそれほど普及していません。今後、超高速かつ大容量の5Gが普及すれば、GPS型のAR広告も増えていくでしょう。
ARを広告に活用する4つのメリット
AR広告には、従来の紙や動画を使用した広告にはないメリットがあります。すでに多くの企業が導入しており、商品やサービスのプロモーションに活用しています。今後もさまざまな企業で導入が進めば、宣伝の在り方やマーケティングが大きく変わるかもしれません。
ここでは、ARを企業の広告に利用するメリットを4つご紹介します。
1.ダイナミックな表現で拡散効果を狙える
AR広告では文字や動画だけでなく、CGを登場させることができるため、従来の広告よりもダイナミックで面白い表現が可能です。目を惹く演出ができるため、消費者の記憶に残りやすく、SNSで拡散されやすいというメリットがあります。
アプリをダウンロードすることなく体験できるAR広告は、消費者にとっても手軽に試しやすい媒体です。SNSとの相性も非常に良いため、ブランドの認知度や商品の売上を高める上で大いに役立つでしょう。
2.商品の疑似体験で購買意欲を促進できる
AR広告ならコンピューターグラフィックスで商品を再現できるため、わざわざお店に行かなくても自宅で商品の使い心地をイメージできます。商品を360度回転させながらじっくり確認できるので、コンバージョンの向上に大きく貢献するでしょう。
ECサイトでは商品を実際に触って確かめることができません。そのため、正確なサイズ感や購入後のイメージを掴みにくいというデメリットがあります。
しかし、AR広告を活用すれば商品の疑似体験を消費者に提供できるため、購入意欲を促進することができ、売上アップなどの効果が期待できます。
3.広告だと思われにくい
AR広告はエンターテインメント性が高く広告色が少ないため、効果的な商品宣伝が行えます。
また、消費者に長時間視聴されやすい点もAR広告のメリットです。 立体的に内容を表示してアピールできるので、消費者の興味を長時間引きつけて商品をアピールできます。
消費者に広告を長時間見てもらうことは広告業界の大きな課題となっていましたが、AR広告を導入すれば課題を解決して訴求しやすくなるかもしれません。
4.低料金で導入しやすい
AR広告を制作する際に必要なのは、マーカーとなる画像や動画だけです。規模やマーカーにする物体によって費用は変わりますが、テレビや新聞に広告を載せるときと比べてコストを安く抑えられます。
AR広告と聞くと費用が高そうなイメージを持つかもしれません。しかし実際には、テレビCMよりもずっと低価格で、効果的なブランディング活動が行える点がメリットです。AR広告であれば、中小企業などでも比較的導入しやすいでしょう。