運転支援から自動車製造まで!自動車産業におけるARの活用事例5選

written byNuxR編集部

AR(拡張現実)の活用事例は、「ポケモンGO」に代表されるようなエンターテインメント分野にとどまらず、ビジネスの世界にも広がっています。その中でも、人間の視力を駆使する機会の多い自動車は、ARとの相性が非常に高いと考えられます。AI(人工知能)や5Gなど最新のIT技術が将来の自動車像を形作る中、ARは自動車産業にどのような貢献をするのでしょうか。本記事では、自動車産業におけるARの役割と活用事例について紹介していきます。

ARとは何かをおさらい

ARとは「Augmented Reality」の略で、拡張現実を意味する用語です。つまり、私たち人間が目を使って見る現実に仮想的な視覚情報を重ね合わせることで、現実の視界を拡張するのがARの要点といえるでしょう。

VR(仮想現実)の場合には現実世界を模した世界や現実には存在しえない仮想上の世界が作り出されるのに対して、ARの場合は現実世界がベースでそれに新たな情報が付け加わっています。ARが実現可能になった背景には、スマートフォンやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)といったモバイルデバイスの発展やGPSや空間認識の技術の進化などが挙げられます。

ARと自動車との相性

ARが視界と密接に関連しているため、自動車の運転など視覚の活用に大きく依存する分野への応用が広がっています。ARと自動車の相性が良い理由として、以下の2点が挙げられます。

視界を作る

自動車の運転では、障害物や対向車線の大型車により、視界が遮られることがあります。そこで、車外に搭載されたカメラ映像と同期することによって、ピラーやトレーラーといった視覚的障害物を仮想的に排除することが可能です。

また、濃い霧などの場合には光が散乱されてしまうため、可視光に反応するカメラでは人間と同様に障害物の発見が難しくなります。そこで、レーザー光線によって周囲を把握するToFカメラを活用することで、霧の中でも障害物の存在を知らせてくれるようなシステムの構築が可能になるのです。

地図を分かりやすくする

スクリーンによって地図が大幅に進化したものの、地図を読むのが苦手な方もまだまだいます。また、運転中にドライバーが見ている視界とスクリーンに映った地図とを重ね合わせるために、運転の邪魔になる場合も多いでしょう。

そこで、ARカメラで撮影した映像にカーナビゲーションのルートガイドを重ね合わせることで、視覚的に運転の邪魔にならないルートガイドが可能になります。また、走行中の映像や走行データの記録とともにAIでリアルタイムに画像解析することで、危険や交通違反につながる運転に対して注意喚起をし、安全運転を支援することも可能です。

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