ARは、スポーツ観戦・体験・トレーニングなど、スポーツ分野に関わるさまざまなシーンで活用されています。日常的にスポーツをする人だけではなく、スポーツを見る側の人も楽しめるでしょう。
今回は、ARの概要や、実際にスポーツの場で活用されている事例を紹介します。
ARとは
AR(=Augmented Reality)とは、「拡張現実」の略語です。
「拡張現実」と呼ばれる理由は、「現実世界に仮想のアイテムを投影できる」というARの特徴による影響が大きいでしょう。スマートフォンやタブレットのカメラを通した画像もしくは映像に仮想のアイテムを投影できるため「現実以上のことが見られる」という意味で、拡張現実の名がついています。
例えば、ゲームキャラクターがすぐ傍にいるような体験ができるポケモンGOやドラクエウォーク、撮影した人の顔に即座にメイクを施す加工アプリなどにもARが活用されています。
VR(仮想現実)と近い性質に感じられますが、VRは「自分が丸ごとCG世界にいるような感覚を味わえるもの」ARは「『現実世界+仮想世界』の合わせ技が体感できるもの」と考えると、それぞれの特徴や違いが分かりやすいでしょう。
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ARはスポーツの楽しみ方を変える
ARの技術は、スポーツの世界でも幅広く使用されています。
- リアルタイムで自分のタイムやスコアを表示する
- チームメイトやライバルの状況を表示する
- 仮想キャラクターやアバターと共に並走する
- 現実にある山や自然の環境を反映してヒルクライムをする
- 音楽や視覚を用いてAR空間でのスポーツを楽しむ
- アバターによるトレーニングやコーチングを行う
など、活用の事例は複数存在します。
これにより、既存のスポーツに新たな楽しみが加わるようになりました。
例えば、スポーツをする人がデータを即時トレーニングや戦略に反映できるようになり、「次の一手」を考える楽しみが生まれています。
また、スポーツ観戦初心者でも試合のルールやチームの戦況が分かりやすくなるため、気軽に観戦できるようになったり、エンターテインメントと融合した新しいスポーツのジャンルが生まれたりする効果も現れました。
5G回線の普及により、遅延のないリアルタイムな情報コミュニケーションができるようになった影響も大きく、今後更なる発展が期待できるでしょう。
AR×スポーツ観戦
ここでは、ARをスポーツ観戦に活用した事例を紹介します。ARのイメージをより固めていくためにも、是非目を通してみましょう。
水泳|東京オリンピック
東京オリンピックでは、水泳競技の観戦にARが使用されました。観戦者がARデバイスを装着することで、目の前の競技に重なるように選手プロフィールやタイムデータがリアルタイムで表示される仕組みです。
順位の入れ替わりなどにも対応しているため、現実とのタイムラグが生じにくく、観戦の楽しさをより後押ししました。
NTT、五輪会場で5GやAR観戦体験 セーリングなど(日本経済新聞)
サッカー|アルビレックス新潟
サッカーJリーグのアルビレックス新潟の試合では、KDDI株式会社と連携してAR観戦が行われました。
スマートフォンをピッチにかざすことで、選手プロフィールや個人の成績、試合の経過時間、フリーキックの位置などさまざまな情報が閲覧できる仕組みです。
「au 5G体感シート」にはAR対応の5Gスマートフォンが設置され、手元に対応デバイスがない観戦者でも気軽にAR体験ができるよう工夫されました。
このようなAR観戦は、観戦価値が向上する取り組みであり、既存のサッカーファンだけでなく新規ファンの獲得にも繋がる効果として注目されています。
【イベントレポート】3月27日(土)東京ヴェルディ戦において、「スワンde 2ショット」「au 5G体感シート」を実施!(アルビレックス新潟 公式サイト)